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熊本の限界集落になぜエミュー 豪快な食事風景に5.8万人驚愕 飼育員が語る魅力とは
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瀕死の状態からよみがえる回復力にびっくり 奥深いエミューの魅力
増加する耕作放棄地の再生と持続可能な農業、若い世代の雇用創出などを目指すための“お手伝い”としてやってきたエミューたち。選ばれた理由は、さまざまな利点によるものでした。みやびとさんによるとその利点は大きく3つあり、まずは「飼いやすさ」が挙げられるそうです。
「暑さにも寒さにも強く、成鳥になると病気や怪我で命を落とすことが少ないんです。また、おとなしくて鳴き声がうるさくない。次の利点は『利用価値』です。肉や皮などを利用でき、特に脂は化粧品などで人気があるため、農業より利益が大きくなります。そして最後は『獣害対策』。しっかりと立証はされていませんが、エミューを飼うとシカやイノシシを遠ざける効果があると他県の組織さんから伺いました」
「エミューはおとなしい動物で、愛情をかければ撫でられにきたりと、結構甘えん坊なところが魅力」と語るみやびとさん。現在もお世話で毎日忙しく働いています。
「時期にもよりますが、エミューにエサを与えるのは基本的に1日に1度。動画は朝のエサやりで、与えてすぐの様子ですね。エサはアッペントウモロコシ飼料を15キロ程度と農家さんからいただいた廃棄野菜を20キロ程度です。キャベツ以外にもニンジンやブロッコリー、レタス、白菜、米ぬか、廃棄米も。食い付きはいつも動画みたいに食欲旺盛です!」
生後間もない縞模様があるうちは切った野菜を与えていましたが、今は葉物だとそのままで、ニンジンなどは輪切りで与えているそう。大自然に囲まれて元気いっぱいに育っている様子は、話題になった動画からもうかがえますね。しかしそれでも、やはり苦労はあるそうです。
「大雨の日に1羽が体中泥まみれのまま、死んだようにうずくまっていたんです。田んぼだった場所に飼育場を作ったので水はけが悪く、さらに粘着質の泥が体温を奪っていたんですね。まだ体ができていない幼少期はちょっとしたことで命を落とすこともあるので、少し諦めていました。
でも、タオルに包んで泥を拭いてから小屋の中に運び、息をしているか分からないほどの状態で『最後くらい暖かくしてやろう』とわらやタオルで包んであげたんです。すると、次の日には小屋の中を元気に走り回っていてびっくりしました。エミューは回復力がすごいとは聞いていたのですが、さすがに驚きましたね!」
現在の「鶴喰なの花村」は、「熊本南部の限界集落にエミューの小屋を作りたい!」として、クラウドファンディングにも挑戦中。エミューたちの成長ぶりは、農事組合法人「鶴喰なの花村」の公式ツイッターアカウント(@nanohanamura)でも見ることができますよ。限界集落が歩み始めた再生への道、その先頭を率いているのは元気いっぱいのエミューたちです。
(Hint-Pot編集部)