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ぼたもちとおはぎの違いは? 春のお彼岸に込められた意味とは この時期に食べる理由
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今日から春のお彼岸ですね。春のお彼岸にはお墓参りをして、ぼたもちやおはぎをお供えし、食べる風習があります。そもそもお彼岸とはどんな意味で、いつの期間を指すのでしょうか。ぼたもちとおはぎの違いやお彼岸に込められた思いなど、古くから伝わる風習や由来を紹介します。
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春分とお彼岸の関係 日付は決まっている?
お彼岸とは日本独自の風習です。年に2回あり、「春分の日」と「秋分の日」を中日としたそれぞれ7日間をいいます。2022年は3月21日が春分の日なので、その日を中日として前後3日。つまり、3月18日から24日までが2022年の春のお彼岸です。
春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」国民の祝日です。「太陽が春分点を通過した日」とされているため、日付は固定されていません。前年の2月1日に、春分の日や秋分の日が書かれた「暦要項(れきようこう)」が官報に掲載され、日付が正式に決まります。
また、春のお彼岸を過ぎると、暖かい日が多くなります。「暑さ寒さも彼岸まで」との言葉がある通り、まさに季節の分かれ目といえるでしょう。
ところで「彼岸」には、どんな意味があるのでしょうか? 元々は仏教用語で「あの世」を意味し、西の方角にあると考えられてきました。それに対して、東にある「この世」は「此岸(しがん)」といいます。太陽が真東から昇り、真西に沈む春分や秋分は「あの世とこの世が近くなり通じやすくなる」とみられているため、お彼岸は特別な時期とされてきました。
「ぼたもち」は「おはぎ」とは違う? 基本的には同じもの
あの世とこの世が近くなるお彼岸は、お墓参りをして先祖を供養する風習が古くからあります。季節の花を添えたり、ぼたもちやおはぎを供えたりするものです。
ぼたもちとおはぎは、基本的には同じです。一般的には炊いてつぶしたもち米やうるち米に、小豆あんをつけたもの。名の由来は諸説ありますが、その季節に咲く花に見立て、春はボタン(牡丹)からぼたもち、秋はハギ(萩)からおはぎと呼んだといわれています。
お供え物のぼたもちやおはぎに、小豆が使われたのは理由があります。日本では古くから「赤色」に魔除けの力があると考えられており、赤色の小豆には災厄を祓って先祖を供養する力があるとされました。
また、ぼたもちとおはぎには、五穀豊穣を象徴する米と古来は貴重だった砂糖を使います。そうした食品を供えることは、故人への感謝と家族の健康を願うことにつながるとされ、お彼岸の食べ物として定着しました。