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30~40代の貯金額 100万円以下は半数以上 安心できる貯金額との差が顕著に
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物価上昇が続く中、気になるのが周囲のお財布事情です。自分のお小遣い額は平均なのか? 将来に向けて皆どれくらい蓄えているのか? 面と向かってはなかなか聞けないところ。そこで今回は、働き盛りの30、40代を対象にしたお小遣いと貯蓄事情に関するアンケート結果をご紹介します。
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30~40代のお小遣い平均は3万3265円 男性より女性の方が堅実
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社は2022年2月、30~49歳の男女1000人を対象に「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2022」を実施しました。
まずは、ひと月当たり自由に使えるお金はいくらあるのでしょうか。毎月のお小遣い額についての設問で、最も多い回答は「1万円以下」で29.5%と、3割近くに上りました。次いで「1万円超~2万円以下」が18.4%、「1万円超~2万円以下」が15.7%と続いています。
お小遣いの平均額は、3万3265円でした。前回の2021年調査と比べると、約3000円増加しています。コロナ禍でのライフスタイルの変化などが影響していると考えられています。
次に、「お小遣いを使いすぎたと感じる金額はいくら?」という設問について、金額の平均を男女・年代別に見てみましょう。突出して高かったのは、30代男性で5万2144円でした。2番目に高かったのは40代男性で4万5734円です。
それに対し女性は、30代が4万251円、40代が3万7475円となりました。このことから女性の方がお金に対してより堅実的な感覚を持っているのが明らかになりました。女性の方が消費意欲は高そうな印象がありますが、現実的に物事を捉えているのかもしれませんね。
貯蓄額は30代が41万円増加 40代は36万円減少
次に現時点での貯蓄額に関する設問では、30、40代の貯蓄額の平均は291万円であることが分かりました。これは前回調査から8万円増加しており、年代別では30代が41万円増加(230万円→271万円)、40代が36万円減少(364万円→328万円)と差が顕著に出ています。
金額別の割合を見てみると、「50万円以下」がもっとも多い22.9%、続いて「0円」が16.6%、「50万円超~100万円以下」が13.4%で合計すると52.9%となりました。半数以上の人が貯蓄額100万円以下であることが分かります。
一方、4番目に多かったのが、「1000万円超」で12.9%、5番目が「500万円超~1000万円以下」で11.3%となっており、しっかり貯蓄ができている多額派と少額派とで大きく分かれる結果となりました。
さらに現状の貯蓄状況について不安を感じているかという問いでは、「感じている」が78.1%、「感じていない」が21.9%となり、約8割の人たちが不安を抱いているという結果でした。
それでは現在、働き盛りの30代、40代は、リタイア時にどのくらいの貯蓄があれば安心できるのでしょうか。もっとも多かったのは、「1000万円超~2000万円以下」で24.2%。「500万円超~1000万円以下」が14.9%、「3000万円超~5000万円以下」が14.3%と続いています。
安心できる貯蓄額の平均は2947万円となっており、実際の平均貯蓄額291万円からは、実に2600万円以上の差があることが判明しました。
2019年に金融庁が「老後資金として約2000万円が必要」という報告書を出したことで老後資金問題が注目されましたが、2000万円という指針をも大きく上回る結果に。すでに2年以上にも及ぶコロナ禍で、経済の先行きや収入に不安を感じたり、価値観やライフスタイルが大きく変化したりといったことが影響しているのかもしれません。
(Hint-Pot編集部)