どうぶつ
3月22日はさくらねこの日 ねこも人間も怖がっていたキジシロを待っていた幸せな日常
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3月22日は「さくらねこの日」。公益財団法人「どうぶつ基金」が、さくらねこの取り組みを全国に広げるため制定しました。さくらねことは、飼い主のいないねこを捕獲(Trap)し、不妊・去勢手術(Neuter)を行って元の場所に戻す(Return)という「TNR」を施した証しとして、耳の先をさくらの花びらの形にカットしたねこのこと。殺処分数を減らすのに有効と考えられている活動の一つです。今回は、人間の元で幸せに暮らしているさくらねこにフィーチャー。飼い主の松田さんに詳しいお話を伺いました。
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実家の駐車場に迷い込んできたトラくん 怪我を機に保護
松田さんは現在、それぞれ別の場所で保護された、個性豊かな4匹の元保護ねこたちと暮らしています。そのうちの1匹、キジシロの「トラ」くんは、左耳の先端がV字にカットされたさくらねこです。
トラくんは元々、松田さんのご実家にある駐車場に迷い込んできた野良ねこでした。すでに去勢手術は施されていましたが、とても怖がりで警戒心が強く、よく狭い場所に隠れていたそうです。
しかしある時、松田さんはトラくんが怪我をしていることに気が付き保護することに。しばらくの間はご実家で預かってもらっていましたが、その後松田さんご一家が一軒家に引っ越したことを機に正式にお迎えしました。
動物ボランティアもしている松田さんは、さくらねこの存在は元から知っていたそうです。しかし、過酷な野良ねこ生活を送っていたトラくんとの暮らしは、お迎え当初から一筋縄ではいかなかったと言います。
「トラはすごくビビりちゃんだったので、最初は私が近くにいるだけで怖がって、ごはんも食べてくれませんでした。人間もねこちゃんも苦手な感じだったので、慣れるまでは苦戦しましたね……」
それでも松田さんは、他のねこちゃんたちと変わらぬ愛情をトラくんに注ぎ続けました。すると、トラくんの様子にも徐々に変化が。怖がりなところは相変わらずなものの、今では甘えん坊で抱っこが大好きになりました。
一番の仲良しは、茶白トビの「ロメオ」くん。もちろんトビ三毛の「ミルモ」ちゃんとシャムミックスの「ショコラ」ちゃんという女の子2匹とも、今ではすっかり打ち解けています。
現在は、温かなお家の中で仲間たちに囲まれて幸せに暮らしているトラくん。とはいえ、飼い主がいないねこはまだまだたくさんいます。外での生活は病気や交通事故などのリスクが高く、ほとんどが短命といわれています。「さくらねこの日」である今日、望まれないねこの出産が減り、殺処分ゼロを目指すにはどうすればいいのか、改めて皆で考えてみませんか?
○取材協力:松田家の愉快なニャンズたち(@mirumo_Angel)さん
(Hint-Pot編集部)