プルプルした質感にやや苦めのカラメルソースがベストマッチのプリン。ちょっと疲れた時や自分へのご褒美など、食べたくなってしまう時ってありますよね。そんなプリンのおいしさを表した写真かと思いきや、実は精巧に描かれたプリンの絵だった……という衝撃作品がツイッター上をにぎわせています。一瞬、自分の目がおかしくなったのかと錯覚するような作品。制作したYas（@0_skyblue）さんにプリンへの思いや絵画へのこだわりなど、詳しいお話を伺いました。

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プリンのツヤや質感まで忠実に再現された絵

　マーブル模様のお皿にのせられ、カラメルソースがかけられたカスタードプリン。投稿には、オレンジやキウイ、サクランボ、バナナといったフルーツやホイップクリームと一緒に盛られたプリン・ア・ラ・モードのイラストもあり、食欲をそそります。

「おいしそうな写真を撮るな～」なんて思っていたら大間違い。これらはすべてYasさんが描いた絵で、プリンのツヤやクリームの質感などが忠実に再現されています。

　これまで4枚のプリンの絵を書き溜めていたYasさんは今回、「今まで描いたプリンの絵」と題してツイッター上に公開。すると、2.4万件を超える“いいね”が集まりました。リプライ（返信）には「本物にしか見えない」「写真ですよね？」「よく見たら写真だし、よく見ても写真だわ」といった絶賛の声が。同時に「おいしそう」「おやつで食べたくなりました」「お腹が空いた」と飯テロならぬ“プリンテロ”を受けた人からの声も寄せられました。

写真撮影と絵画制作は1セット　「よく撮れた写真を見ると絵を描きたくなる」

　多くの人に「プリンを食べたい」と思わせてしまったYasさん。今回の絵を描いた経緯や絵画に対する信念などを伺いました。

Q. 今回のプリンの絵を描こうと思ったきっかけを教えてください。
「普段からみずみずしいものやツヤのあるものが好きで、そういうものを買ったり見かけたりする度、写真を撮っています。構図、光の当たり具合でよく撮れた写真を見ると、撮りたくなる気持ちと同じくらい描きたくなるんです。そこで、ゼリーとはまた違ったツヤがあり、カラメルの質感やプリン本体の淡い黄色に惹かれ、プリンを描きました」

Q. 今回の絵はどんなツールや画材を使用して描かれたのですか。
「iPadの専用アプリ『Procreate』で描いています。使ったブラシはウェットアクリル、チョーク、鉛筆（HB）です」

Q. 制作時間はどのくらいだったのでしょうか。
「1枚1枚違いますが、平均すると2～3時間です」

Q. プリンの絵を描くにあたり、こだわった部分を教えてください。
「プリンの種類や撮った天気、環境によって変わるカラメルの色味とハイライトの描写です。あと、容器のツヤ感との差、影の落ちる角度などにも気を付けています」

Q. 写真を撮ったものを描くというスタイルですが、こうした手法はいつから始めたのでしょうか。
「大学時代に何を描いていいか分からず悩んでいた時に、教授から『普段から美術館をめぐって先人の作品などを見て学び、散策などで自然の美しさを知り、その上で自分が一番何を描きたいかを見つけなさい』とお言葉をいただいたことがきっかけです」

Q. その言葉をもらってから、どういった部分が変わりましたか。
「自分が美しいと思ったもの以外にも、何てことはない普段の日常を写真に収めたり、時には美しいと思うもの（スイーツやハーバリウムなど）を自作したりと、何らかの手段で形に残していくようになりました。水面や食べ物などに見られるツヤ、そして水面の中でもタイルの貼られた噴水や、水の揺らぎが不思議な形で現れる水族館の水槽、ガラスのコップの中の水など、水一つとっても今まで撮り溜めた写真を見返していくうちに、描きたいと思えるものにたくさん出会うことができました」