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エイプリルフールは魚でお祝い フランスの伝統菓子「ポワソン・ダブリル」とは

著者:Hint-Pot編集部

おどけた表情が印象的な、魚の形をしたパイ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
おどけた表情が印象的な、魚の形をしたパイ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 桜が咲き始め、あっという間に3月も終わりに近づいています。日本では新年度を迎える4月1日は、世界的には年に1度だけ楽しい嘘をついて良い「エイプリルフール」とされていますよね。フランスでは、エイプリルフールのことを「ポワソン・ダブリル(Poisson d’Avril)」と呼んでいます。直訳すると「4月の魚」で、この日お菓子屋さんでは色とりどりの魚の形をかたどったスイーツがショーケースに飾られます。楽しくておいしくもある、ちょっと変わったフランスの風習についてご紹介します。

 ◇ ◇ ◇

元はキリスト教旧暦の新年にあたる4月1日が発端

「ポワソン・ダブリル」の由来は諸説ありますが、フランスでは旧正月を祝うイベントであることが有力な説のようです。

 フランスでは昔、3月25日を新年とし、4月1日まで春の祭りを開催していたそうです。しかし1564年、当時のフランス王シャルル9世が1月1日を新しい一年の始まりにするという現在のグレゴリオ暦を採用。この改暦に反対する人々は、旧暦の新年である4月1日のお祝いを続け、おかしなプレゼントを交換したり、いたずらをして楽しんだりするという習慣が生まれたといわれています。

 またポワソン(魚)がモチーフになった由来は、4月1日がキリスト教徒にとって肉食が禁じられる断食期間、四句節の後の方に当たり、魚は人気の高い贈り物だったためという説が。一部の人たちが旧暦を祝い続けている“時代遅れ”の人たちをからかい、偽の魚を贈ったことが始まりだったともいわれています。

 現在でもフランスでは、嘘をついて楽しむというより、友人や家族の背中にこっそり魚の絵を貼っていたずらをするのが一般的。いたずらを発見したら「ポワソン・ダブリル!」と叫ぶのが習わしです。

フランスではチョコレート 日本ではパイが主流

自作の魚の絵を切り抜いてこっそり背中に!(写真はイメージ)【写真:写真AC】
自作の魚の絵を切り抜いてこっそり背中に!(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 いたずらだけではなく、「ポワソン・ダブリル」と呼ばれるお菓子を楽しむ習慣もあります。実際に魚が使われているのではなく、あくまでも魚の形をしているだけ。フランス菓子研究家の大森由紀子さんによると、フランスでは魚の形をしたチョコレートの中に、チョコレートの小魚がたくさん詰まっているお菓子が多く見られるのだそうです。

 最近では、日本でもポワソン・ダブリルを目にすることが増えてきました。日本では魚の形をしたパイが多く見られます。少しおどけたような魚の表情が印象的で、旬のフルーツを魚のウロコに模した色とりどりのかわいいものが多いです。

「グランドニッコー東京 台場」にて3月25日~4月1日限定で販売されるポワソン・ダブリル【写真提供:ニッコーホテルズインターナショナル】
「グランドニッコー東京 台場」にて3月25日~4月1日限定で販売されるポワソン・ダブリル【写真提供:ニッコーホテルズインターナショナル】

 国内外2000軒以上のパン屋を訪れたパンディレクターの大谷りえ子さんによると、「ポワソン・ダブリルのパイは販売する日が限定されており、数量も多くないので事前に予約するのが良いでしょう」とのこと。ハロウィンやクリスマスなどに比べるとまだまだ認知度が低いため、取り扱っているお店を下調べしておく必要がありそうです。

 コロナ禍で海外に行きにくい今、少し変わったフランス流のエイプリルフールを楽しんでみるのはいかがですか。

(Hint-Pot編集部)

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