Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

話題

昭和を感じる指輪に24万人驚き 実物感あふれるデザインに「欲しい」の声殺到

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

「指輪にすればずっと回せる」 気付いてすぐに制作開始

 大反響を呼んだアイデア指輪。制作者の池田亮さんは脚本家と演出家、造形作家という三足のわらじを履くマルチなクリエーターです。舞台と美術、映像を制作する団体「ゆうめい」でも活動しており、人気アニメ「ウマ娘 プリティーダービー」の脚本も手がけました。今回の「水栓のクリスタルハンドル指輪」を制作したきっかけは、元々このタイプのハンドルが好きだったからだそう。

「元々好きでした。特別感というか、キラキラ光るものを掴んで回す感じや中に入っている金具の反射による光り具合とか。このタイプの水栓は自分で回してお湯の温度を調整しなければならないから、毎回手こずった体験が記憶に強く残っているところとか」

永遠の愛も誓える!【写真提供:池田 亮(@yyyry_ikeda)さん】
永遠の愛も誓える!【写真提供:池田 亮(@yyyry_ikeda)さん】

 ツイッター上でこうしたハンドルの画像を見かけたり、実家や公共施設で眺めたりする度、「ずっと回していたいなー」と考えていた池田さん。今月に入って「そうだ、指輪にすればずっと回せるな」という結論に至り、制作を始めました。

 もちろん、好きなものを作るとあってこだわった点はたくさん。実物を何度も見て研究しながら、ホームセンターやインターネットで必要な材料を吟味して、実験を重ねたそうです。

「やはり作るのなら『回せた方が良い』と思い、強度もテストしながら納得できるような動きを目指しました。素材に金属を使い、クリスタル部分から透けて見える金具の実物感や、着けた時に『指が蛇口に見える!』というような遊び心も意識しています。それと、作業中は花粉症がひどくて『体から出てくるものに栓をしたい』と常々思っていました」

 中でも苦労したのは「ハンドルの造形と、中にある金具の水栓っぽさを再現しつつ回せるようにしたところ」。そうした苦労の甲斐もあって、数多くのリプライが寄せられました。

「『かわいい』『欲しい』といったものや、想像以上に『実家にある』『今も使ってる』『懐かしい』と記憶にまつわるコメントをしていただけたのがとてもうれしかったです。他にもキャッチコピーのようなリプしている方もいて、自分が思い付かなかった皆さんの発想に驚きも。『ああ、こういう見方もあるのか!』と発見が多くて、かなり学ばせてもらっています」

多忙な中での作品づくり 目指すは「ニッチだけど特別なアイテム」

 また、池田さんはこの指輪以外にも、懐かしいものをモチーフにした雑貨を多く手がけています。

「作る時のテーマは『たまに夢で見るようなお店を再現すること』と『今の自分が一番欲しいと思えるものを作ること』です。記憶の片隅にある、ふとした体験にもう一度会えるような、ニッチだけど特別なアイテムをこれからも目指していきます」

販売している作品の一つ「たわしマットコースター」【写真提供:池田 亮(@yyyry_ikeda)さん】
販売している作品の一つ「たわしマットコースター」【写真提供:池田 亮(@yyyry_ikeda)さん】

 ちなみに、この指輪は池田さん個人のハンドメイトショップサイト「トイフクロ」で実際に販売されました。しかし残念ながら、初回販売分は5分ほどで終了してしまったそうです(現在は品切れ)。

「早々に売り切れ、とてもありがたいですが在庫が準備できず恐縮です。ハンドメイドはワンオペのためスピードは遅いですが、在庫ができ次第改めてお知らせいたします。今年は子どもも生まれたので、1人で生産するにはなかなか時間がかかって。在庫切れも頻繁に起こるので、どなたかガチャガチャにしてくれないかな……と非常に欲張りな夢も見ております」

子どもが大好きな花火をクリップにした「花火クリップセット」【写真提供:池田 亮(@yyyry_ikeda)さん】
子どもが大好きな花火をクリップにした「花火クリップセット」【写真提供:池田 亮(@yyyry_ikeda)さん】

 5月末からは「ゆうめい」の初ツアー公演「あかあか」も控えており、ますます多忙になる池田さん。一段落した頃、また素敵なアイデアの新作であっといわせてほしいですね。

(Hint-Pot編集部)