春本番を迎え、各地から満開の便りが届いている桜。晴天の青空とマッチするピンク色の花びらも鮮やかですが、風情がある夜桜も見る者の心を奪いますよね。SNS上もさまざまな桜の写真でにぎわうこの時期、中でも星空と夜桜が絶妙なハーモニーを奏でた一枚が話題になっています。撮影者のmame（@daizphoto）さんに撮影時の状況や、桜を撮影する際の注意点などを伺いました。

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福島県三春町の「三春滝桜」　国の天然記念物指定から今年で100年の名木

　デジタルアート制作や写真撮影活動を行っているmameさんが撮影したのは、福島県田村郡三春町にある「三春滝桜」。三春町の情報を伝えるウェブサイト「Find! 三春」によると、三春滝桜は1922年（大正11年）に桜の木として初めて国の天然記念物に指定された名木です（指定を受けた際の正式名称は「三春滝ザクラ」）。今年2022年4月に100周年を迎えることもあり、ロゴマークの作成など各種記念事業も実施されています。

　新型コロナウイルスの感染対策もあり、一昨年（2020年）の一般観覧は1週間で中止に。その観覧最終日だった4月7日に撮影したのが、今回話題になっている夜桜の写真です。mameさんによると、この日は日中から好天で、日が沈んでからは星空が広がるという最高の天気。その中でライトアップされた三春滝桜は鮮やかなピンク色を浮かび上がらせ、多くの観光客を楽しませていました。

「桜は日本を象徴する景色なので思い入れは深い」と話すmameさん。特に夜桜へのこだわりは強いそうで、その理由は「背景から浮かび上がらせるようなコントラストが出るから」。この日は空が澄みわたり、星空のもとで輝く三春滝桜を撮影するにはこれ以上ない条件が揃ったことで、最高の一枚を撮ることができました。

　mameさんがこの写真に「福島の一本桜が絶景だった」とのメッセージを添えてツイッターに投稿すると、3.3万件の“いいね”を集めました。リプライ（返信）には「見事」「素敵すぎて泣きそうになった」といった称賛の声が。さらに「桜と星が降って美しく平和な世界」「これだけの美しさを手に入れるまで、一体何年の月日を経たのでしょうね」と三春滝桜に思いを馳せるメッセージも寄せられています。

美しい夜桜を撮るには「風で被写体ブレしないように長秒露光しすぎないこと」

　夜桜へのこだわりが強いmameさんにとっても、今回話題になった夜桜は会心の一枚。とはいえ、夜桜を撮影ではピンボケに困っている方も多いでしょう。

　きれいに夜桜を撮るコツとして、mameさんは「まずは桜の色をきれいに出すこと。そして風で“被写体ブレ”しないように、長秒露光しすぎないこと」をポイントとして挙げてくれました。さらに、今回の三春滝桜のように雄大な被写体を撮影する際には「人影を入れることで大きさをより伝えることができます」とも。

　今年の三春滝桜の開花予想日は4月10日。満開日は同15日と予想されています。ライトアップも2年ぶりに再開される予定です（午後6時～9時）。新型コロナウイルス感染対策を十分に取りながら、圧巻の夜桜を楽しんでみるのもいいかもしれません。

（Hint-Pot編集部）