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花瓶の水を飲むだけでも中毒に!? 農家が教えるあまり知られていない身近な有毒植物

公開日:  /  更新日:

著者:こばやし なつみ

花が咲いていればスイセンと分かるのだけれど……【写真:こばやしなつみ】
花が咲いていればスイセンと分かるのだけれど……【写真:こばやしなつみ】

 昨今のアウトドアブームを受けて、メディアでは「食べられる野草」を紹介する記事が増えています。食べられるものが意外と多いことに驚く一方、身近な植物に含まれている有毒な物質には注意が必要です。茨城県の兼業農家として、少量多品種の米と野菜作りに取り組むこばやしなつみさん。植物や自然に囲まれながら2児を育てるこばやしさんに、春から梅雨時期にかけて気をつけている有毒植物6種類を教えていただきました。また、実際に野草を食べて大変な目に遭った……というエッセイ漫画も併せてご紹介します。

 ◇ ◇ ◇

身近な有毒植物は200種 誤食や誤飲に注意

 初夏目前はタケノコや山菜がおいしい季節です。我が家の裏山では木々が芽吹き、スズメバチの後ろ姿も見られるようになってきました。

 東京から茨城県にある配偶者の実家に移住して約6年。兼業農家である実家は、庭や裏山に四季折々の花が多種多様に咲き並びます。祖父母によると、それらはこの土地の先代が各々に庭に植えてきたもの。つまり私は、その一つひとつの花の品種や植わっている経緯を知らずに住み始めたということです。

 子どもや犬と散歩をすると、子どもは気になった花や葉っぱを何でも拾ったり、口にしてみたりします。さらに、犬が道端に生えている葉っぱをむしゃむしゃ噛むことも。そこでそれぞれの草花を改めて調べると、これもあれも実は有毒だったと目を丸くすることが多々あります。

 植物の中には、食用や薬用になるものがある一方、毒成分を持つものも多くあります。日本には有毒植物が身近なものだけでも200種類ほど(※1)。消費者庁によると、有毒植物による食中毒は毎年春、特に4~5月に多く発生するそうです。

 有毒植物を食用と勘違いして食してしまったり、花瓶に差していたところ子どもなどが誤ってその水を飲んでしまったりと、さまざまなケースがあります。いずれも嘔吐や下痢などの中毒症状を発症する恐れがあるため、購入や採取した際は扱いに注意することが事故防止につながるそうです。

春から梅雨にかけて注意すべき植物 代表格はスイセン

 それでは、私が日頃から注意している6種をご紹介します。万が一、有毒な草花を誤って食べたり、生けた花瓶の水を誤って飲んだりして具合が悪くなった時は、すぐに医師の診察を受けましょう。誤って食中毒になった場合は、確認しやすくするためにできれば実物を持っていく、もしくは写真に残しておくと良いですよ。

【スイセン(ヒガンバナ科)】
特徴:全草が有毒。園芸品として色や形の異なる多くの種類がある多年草。野生化したものもある。

ニラ畑と言われても素人では判断つかない、花が枯れた後の庭のスイセン【写真:こばやしなつみ】
ニラ畑と言われても素人では判断つかない、花が枯れた後の庭のスイセン【写真:こばやしなつみ】

 食中毒の事例が絶えない代表例は、スイセンをニラと間違えて口にしてしまうことです。他にも、葉の部分をノビル(※)やアサツキ、根の球根部分を玉ネギやノビルなどと間違える事例が挙げられます。

 スイセンとニラは、花が咲いていなければ見分けられないほど葉の形状が酷似しています。その一方で、違いは葉を揉んだ際の匂い。また、スイセンの葉はニラよりも厚めでしっかりとしている印象もあります。

 どちらも多年草のため、一度植えると毎年勝手に生え続けてくる性質も。そのため、我が家の場合はどちらも義父母よりも前の先代が植えたものです。

(※)ノビル……ユリ科ネギ属で、葉が小ネギのようで根がぷっくり膨らんだもの。野草。

「よく見れば間違えるわけがない」……そう考えている人も少なくないでしょう。しかし、実際にスイセンの葉を食べてしまったという体験談を読むと、本当に見分けがつきにくく、誰にでも起こり得る事故であることがよく分かります。

 そんな体験談を漫画に描いたのは、コミックエッセイ「結婚してから同じ布団で寝てません」(オーバーラップ刊)の著者、小池ぬーみんさん。職業が猟師という配偶者さんと2匹の猫との田舎暮らしを漫画で綴り、人気を集めています。

漫画のワンシーン。ノビルに似た野草を調理して食べたところ嘔吐が止まらず……【画像提供:小池ぬーみん(@numinkoike)さん】
漫画のワンシーン。ノビルに似た野草を調理して食べたところ嘔吐が止まらず……【画像提供:小池ぬーみん(@numinkoike)さん】

 小池さんはある時、配偶者さんの提案で野草料理に挑戦。配偶者さんから説明を受けて庭に生えたノビルを収穫したところ、実はそれがスイセンでした。スパゲティに加えて食べると味に違和感を覚えますが、山菜を口にしたのが初めてだったため間違いに気づかず。そのまましばらく食べてしまいます。その後、2人とも嘔吐が止まらなくなり、病院に駆け込みました。

 この漫画からも分かるように、普段から自然と接している人でも花が枯れたスイセンとノビルを見分けるのは難しいもの。また、少量食べただけでもつらい症状に見舞われるのです。

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