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5月2日は「八十八夜」 お茶を摘むのはなぜ? 縁起が良いとされる理由とは
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春から夏になる季節の移り変わりにおいて、その目安の一つとされているのが「八十八夜」。お彼岸や節分、入梅、土用などとともに、古くより日本人の暮らしと密接に関係する暦日「雑節」であり、2022年は5月2日です。「夏も近づく八十八夜」と始まる唱歌「茶摘み」もおなじみですが、そもそも八十八夜とは何のことなのでしょうか。古くからのしきたりなどを紹介しましょう。
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農作業の目安 元々は「霜」の警戒を促す日
八十八夜とは、暦の上で春の始まりとなる「立春」から88日目にあたる日です。年によって変わりますが毎年5月2日頃で、その3日後に「立夏」を迎えます。春から夏へと季節が移っていく時期です。
「八十八夜の別れ霜」とはこの時期に降りる霜を指します。元々この時期は一日の寒暖差が激しく、農作物が遅霜の被害を受けることもあったようです。そのため、不意に降りてくる霜などの天候への警戒を促すため、江戸時代の頃には八十八夜が暦に記されるようになったとみられています。
この日を目安に気候は安定し、霜の心配がなくなるとされてきました。種まきなどの農作業が本格化し、夏の準備が始まります。
末広がりの「八」が重なることから「八十八」は“縁起が良い”とされ、豊作を願ってこの良き八十八夜を目安に苗代作りなどの農作業を始めました。また八十八を組み合わせると「米」という字になることから、農事に関する祭りや祈祷なども盛んに行われ「農の吉日」ともされています。
漁でも同じく、八十八夜は大事な目安です。この日から約1か月間は、1年で最も多くの種類の魚が獲れる時期とされてきました。