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5月2日は「八十八夜」 お茶を摘むのはなぜ? 縁起が良いとされる理由とは
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新茶の季節 ご利益をいただく
八十八夜にはすくすくと育ったお茶の新芽が生えそろうため、茶摘みを始める目安にもなったと言われています。お茶の新芽は霜に弱く枯れてしまうので、八十八夜の当日に素早くお茶の新芽を摘んだそうです。
自然の力をしっかりと蓄えた新芽は、「新茶」や「一番茶」と呼ばれます。不老長寿のご利益があるとされ、江戸時代には縁起物として扱われました。
実際の茶摘みの時期は産地によって異なりますが、現在でも八十八夜にちなんで、かすり着物にたすきがけをして茶摘みをする様子は新茶の季節の風物詩です。また緑茶は近年、カテキンやビタミンなどの健康効果にも改めて注目が集まっています。
夏はもうすぐ。八十八夜は特別に何かをする日ではありませんが、縁起の良い日です。布団や服、日用アイテムなど、暮らしの夏支度を始めるのも良いでしょう。
【参考】
「365日を豊かに過ごす 日本の四季、二十四節気、七十二候」(宝島社)
「眠れなくなるほど面白い 図解 日本のしきたり」千葉公慈監修(日本文芸社)
「日本の365日を愛おしむ-季節を感じる暮らしの暦―」本間美加子著(飛鳥新社)
「日本のしきたりがまるごとわかる本」(晋遊舎)
(鶴丸 和子)
鶴丸 和子(つるまる・かずこ)
和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
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