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面接対策に「毎日5分音読」は有効? SNSで話題の方法を“話しのプロ”が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:小倉 星羅

来たる6月1日は2023年卒の選考解禁日。面接対策は?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
来たる6月1日は2023年卒の選考解禁日。面接対策は?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 就職時の面接対策におすすめの方法を紹介するツイッター投稿が先日、8.4万件もの“いいね”を集めて大きな話題になりました。その方法は「毎日5分間、好きな文章を音読」するというもの。2023年3月卒業予定の学生は、あと2週間足らずで選考解禁日を迎えます。また、インターンシップの選考もこれから夏休みにかけて佳境に入るため、面接でうまく話せるか今から心配だという人も多いでしょう。音読は本当に面接対策として効果があるのでしょうか。どのように練習するとより身になりやすいのかなどについて、「話し方研究室」で講師も務めるフリーアナウンサーの小倉星羅さんにお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

同じ本を繰り返し音読 理解を深めることで伝え方のトレーニングにも

 小倉さんによると、音読は面接対策の一つとして確かに有効とのこと。口から言葉が自然と出てくるクセをつけられるそうです。

「普段の日常会話で使用しない言葉を声に出すことで、適切な文章の長さを身につけることができ、伝える練習になります。面接では質問に対してすぐに呼応しなければなりません。そのため自然と口から言葉が出てくることが大切なのですが、音読を続けることでクセがついてくると思います。

 また、目で読むよりも音読をする方が理解を深めることができます。私たちアナウンサーも、ニュースなどの下読みをする際にも声を出して読んでいます。面接前に自己紹介や志望動機などを音読しておくと緊張が和らぐと思いますよ」

 とはいえ、一口に音読と言ってもいろいろな方法があります。より効果的な音読の練習方法はあるのでしょうか。

「練習をする際は、同じ文章ばかりを読んだり、本をコロコロと変えたりせず、同じ本の中でさまざまな箇所を読み上げるのが一番良い方法だと思います。面接は自分のことを話すため、理解している内容を相手に伝える場です。そのため1つの本を繰り返し読み、内容を理解しながら音読をすれば、自分の知っていることをどう伝えるかというトレーニングになります」

滑舌や発声が気になる人は早口言葉も効果的

 さらに音読中の姿勢や声量もポイントになるそう。

「相手が目の前にいることを想定して、音読をすることをおすすめします。5メートル先の相手に伝わるように、相手の方を見つめるつもりで顔を上げて読むなど、面接時のアクションを取り入れるのもいいと思います。また、緩急や強弱をつけるなど、声色をつけて読むと相手が理解しやすくなるので、練習してみましょう」

 また、口下手な人がスラスラと話せるようになる訓練は、音読以外にもあるそうです。

「話すことが苦手といってもさまざまな要因があるでしょう。今回は発声や滑舌が気になるという人に向けて、『早口言葉』のトレーニングをおすすめします。なかなか難しい早口言葉であっても、大きな口でゆっくりと発声するところから始めていくと、早く読むことができるようになります。ゲーム感覚で手軽に楽しく取り組めるところもポイントです。

 ぜひチャレンジしていただきたいのが、一人語りの長セリフ『外郎売(ういろううり)』。早口言葉がたくさん盛り込まれており、アナウンサーは最初にトレーニングします。私も新人の頃に暗記するほど繰り返しましたよ」

 緊張すると思うように声が出なかったり、口が回らなかったりすることもあります。普段からコツコツと訓練を積めば、きっと本番での自信につながるでしょう。今からすぐに始められるこの方法、試してみてはいかがでしょうか。

(Hint-Pot編集部)

小倉 星羅(おぐら・せいら)

広島テレビ、千葉テレビ(チバテレ)のアナウンサーを経て、東京五輪・パラリンピックではメダリストインタビューを担当。現在は、プロ野球・読売ジャイアンツの場内アナウンスや大妻女子大学でアナウンス演習の非常勤講師。フリーアナウンサーの和田奈美佳とともに「話し方教室」を開講中。