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“トークの達人”が秘訣を伝授 マスク越しやオンラインミーティングでも伝わりやすい話し方とは?

公開日:  /  更新日:

著者:中塚 真希子

しまえりこさん【写真:楢崎豊】
しまえりこさん【写真:楢崎豊】

「どんな自然音よりも、よく眠れる」「最後まで聴きたいのに、いつも眠ってしまって何度聞いても結末が分からない」――。YouTubeチャンネルで、話題の“睡眠導入”朗読を展開している、元NHKキャスター・しまえりこさんは、声のメイクアップアーティストや話し方スタイリストとしても活躍中です。そんなしまさんにトークの達人になる秘訣を教わる今回の企画。後編では、コロナ禍の今こそ知りたい、オンラインミーティングやマスク越しでも伝わりやすい話し方を中心に、お話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

マスク越しの会話は1トーン高め&1テンポ遅めを心がけて

Q.マスクをしていても、相手に伝わりやすい話し方はありますか?

「マスクをしている時は、手で口を覆っている状態と同じ。相手に声が届きづらくなります。いつもと同じ調子で話しても伝わらないので、相手にきちんと自分の言葉を届ける意識を持ちましょう。実際よりも相手は聞こえづらいと理解した上で、まずはいつもより1テンポゆっくりと話してみる。そして、重要な単語は、はっきりと発音することです。長い話をする時は、ポイントごとに間を取るのも有効だと思いますよ。

 他に、声のトーンを少し上げる、場合によってはジェスチャーを入れるのも良いでしょう。そして、大切なポイントとして、マスクをしている時はお相手にほとんどあなたの顔が見えないことがあります。ですが、“どうせ見えないのだから”と、無表情でいるのは絶対にNG! お相手は、あなたの目を見て、その表情を判断しています。もちろんキリッとした姿勢で臨まなければいけないシーンもあるかとは思いますが、そうでなければ、いつも以上に笑顔を意識しましょう。目だけでやわらかな雰囲気を演出するようにしてくださいね」

電話やビデオミーティングの印象は顔の○○でガラリと変わる!

しまさんが教えてくれた「話し方」はテレワークにも効果あり。目指せトークの達人!【写真:楢崎豊】
しまさんが教えてくれた「話し方」はテレワークにも効果あり。目指せトークの達人!【写真:楢崎豊】

Q.テレワーク中の電話やオンラインミーティングで話す際、気を付けるべきことはありますか?

「電話もオンラインミーティングも、地声だと低く不機嫌に聞こえる場合があります。そのため、声のトーンを1つ上げた方が良いでしょう。また、電話の場合はメモを取りながら話すことがありませんか? すると、必然的に下を向きながら話すことになりますよね。顔が下を向くと、どうしても声が低くなってしまうので、注意しましょう。私は電話で話す時はなるべく、顔は正面、もしくは少しだけ上向きにして話すよう心がけています。そうすれば、声も上に行きますから」

 
Q.オンラインミーティングもパソコンを机の上に置いているので、つい下を向きがちです。こうした場合はどうすればいいですか?

「そういう方、多いですよね。けれど、こちらも電話と同じ、顔の位置が大切です。できるだけ上向きで話す方が良いでしょう。自分の顔がまっすぐ映るよう、パソコンを配置してください。そうすれば姿勢も良くなりますし、声も届きやすくなりますから。また、オンラインミーティングの場合、顔を動かしていないと、すごく無表情に見えてしまうもの。ですから、いつも以上に表情豊かに話すよう、心がけてくださいね。それだけで、印象がぐっとアップしますよ!」

 
Q.表情でも自分を相手に届けることができるんですね。他に気を付けることはありますか?

「そうなんです。テレワークの電話やオンラインミーティングでは、家のトーンのままで話すと声が低くなったり、家事をした流れでそちらに参加すると、慌ただしく落ち着かない雰囲気を醸してしまったりすることがあります。どちらの場合も家事の流れでそのまま入るのではなく、一度、一呼吸置くようにしましょう。気持ちや声のトーンを切り替えてから、話し始めてくださいね」

通勤時間は、鼻歌でトーク美人トレーニングを!

Q.最後にトーク美人になるため、家でできる簡単なトレーニングがあったら、教えてください。

「まずは印象美人になるという意味で、口角を自然に上げていきましょう! そのための簡単なトレーニングとして“鼻呼吸”があります。口呼吸をしていると口角は上がらないし、無理に上げようとしても不自然になってしまう。無言で家事をしている時、つい口角が下がってしまっていませんか? それが積み重なるとクセになってしまいます。口呼吸を鼻呼吸に変えるだけで、口角が上がりやすくなりますから、ぜひやってみてください。口も開けやすくなるはずです。

 トレーニングはもう1つあります。こちらは、朝にされるといいのですが、ハミング・鼻歌を歌ってみましょう。朝起きてすぐ、大きな声を出すとのどを痛めてしまいます。けれど、ハミングであればのどから声を出していないので、いい発声練習になるんです。私は仕事前や電車に乗っている時、よくハミングをしていますが、マスクをしていれば人に聞かれることもないので、大丈夫(笑)。さっきの鼻呼吸・口角上げトレーニングと一緒にするのもおすすめです」

◇島 永吏子(しま・えりこ)
フリーアナウンサー・話し方講師・ヨガ講師。
1978年1月17日生まれ、富山県出身。2003年、NHK富山放送局に入局し、ニュース番組や情報番組MCとして活躍。2012年よりフリーアナウンサーとしての活動をスタート。女子レスリング・吉田沙保里さん引退会見の司会を始め、ナレーションや話し方講師など、多岐にわたって活動中。2019年6月にYouTubeチャンネル「しまえりこの絵本読み聞かせ」を開設し、童話の朗読や話し方のコツを配信。現在、チャンネル登録者数は約3.8万人、動画の総再生回数は約350万回を数える。
公式サイト:https://shimaeriko.com
YouTubeチャンネル「しまえりこの絵本読み聞かせ」:https://www.youtube.com/channel/UCqJTLlYHaDjMragF5aVJb-w

(中塚 真希子)