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元NHKキャスターがトークの達人になる秘訣を伝授 「上品な話し方」のコツは?

公開日:  /  更新日:

著者:中塚 真希子

しまえりこさん【写真:楢崎豊】
しまえりこさん【写真:楢崎豊】

「どんな自然音よりもよく眠れる」「最後まで聴きたいのに、いつも眠ってしまって何度聴いても結末が分からない」――。YouTubeチャンネルで、話題の“睡眠導入”朗読をしている、元NHKキャスター・しまえりこさん。声のメイクアップアーティストや話し方スタイリストとしても活躍している、しまさんに「上品な話し方」「マスク越しでも伝わりやすい話し方」など、トークの達人になる秘訣を教えてもらいました! 前後編2回にわたってお届けします。

 ◇ ◇ ◇

大勢に声を届ける時は、一番後ろにいる人の背中を目指す

Q.1対1など少人数でおしゃべりする場合、気を付けることは?

「場の雰囲気に合わせることが大切です。例えば、他に誰もいないなら、それなりに大きな声で会話をしても大丈夫ですが、静かなカフェだったらどうでしょう? お相手も落ち着かないし、場にもそぐわないですよね。声は口から出た音がそのまま聞こえるのではなく、空間で響いて耳に入るもの。そのため、場と仲良くなることを考えましょう。周りの雰囲気は静かなのか、騒がしいのか、近くに人はいるのか、など。それらを踏まえ、場にあった話し方を心がけてください」

 
Q.会話している相手の声のトーンに合わせることも大切ですか?

「そうですね。お相手の声が小さめなのに、大きな声で返すと疲れさせてしまうかも。ただ、あまりに声が小さくて聞き取りづらい時は、少し大きめの声で返し、会話のトーンをなじませていくのも、1つの手。また、会話というのはエネルギーのやり取りですから。お相手に元気がないなら、エネルギーや癒やしを分けるつもりで、元気に話しかけるのもいいと思います」

 
Q.大勢の前で話すコツは?

「一番後ろの人の背中まで、声を届けるイメージを持ちましょう。大勢の前で挨拶をするなど和やかな場面なら、声が自分の口から丸く弧を描いて一番後ろの人の背中に着地するイメージを持って。やわらかくかつ聞きやすく、声を届けることができますよ」

 
Q.大勢の前で上手に話す時は、緊張をどう克服するかもネックになりそうですが、どうすればいいでしょうか?

「私も未だに緊張します(笑)。声は体・心の状態と密接につながっているので、緊張していると体に力が入り、声が出にくくなります。まず下半身はどっしりと地に足をつけ、上半身の力は抜きましょう。そして、緊張すると呼吸が浅くなりがちなので、しっかりゆっくり呼吸をすること! 私は話す前によく、深呼吸しながら、みんながニコニコ笑って私の話を聞いてくれている場面を想像します。それからこんなことも考えますね。『もし失敗をしても、それによって私は必ず成長できる!』って。すると気持ちが軽くなって、プレッシャーもなくなります」