仕事・人生
地方局女子アナから起業家へ 苦境支えた父の教え 「仕事は自分で考えて作るもの」
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新型コロナウイルス感染防止対策のため、以前のように大勢で集まり語らう機会が減ってしまった今。オンライン会議システムやビデオ通話など新たなツールが広まると同時に、改めてコミュニケーションの大切さが見直されています。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットライトを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。今回は「声で、未来を変える」をコンセプトに企業研修などで“伝える力”を広める企業「トークナビ」の代表取締役・樋田かおりさんの前編です。女子アナだった樋田さんが起業家となるまでの変化を探ります。
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高校時代に経験したウグイス嬢 「声の魅力に取り憑かれました」
2015年に樋田さんが1人で立ち上げた「トークナビ」は、現在57人の仲間が集まる企業に成長しました。話すこと、伝えることの大切さを広めるため、全国各地でアナウンサー講師を育成し、企業研修や個人を対象としたセミナーを開催。子ども向けの「キッズアナウンサー体験」や女性アナウンサーが企業広報を行う「女子アナ広報室」など、伝えることに特化したサービスを提供しています。
今では起業家として会社を牽引する樋田さんですが、社会人としての第一歩は日本テレビ系列RAB青森放送のアナウンサーでした。そのきっかけは、高校時代に甲子園予選でウグイス嬢を経験したこと。気持ちを乗せると球場の雰囲気も変えてしまう声の魅力に取り憑かれ、「アナウンサーになる」という目標に向かって走り出しました。
名古屋の大学に進み、まず始めたのはキャラクターショーのMC。さらには「ウェザーニューズ」のお天気キャスター、「愛・地球博(2005年日本国際博覧会)」のリポーターなどを務め、「必死に動いて、たくさんチャンスをいただきました」と語ります。
元々、人前に立つのは得意ではなかった樋田さんですが、年間約300本の司会や番組のメインMCも務めるなど、場数を踏みながら自信を積み重ねていったそうです。