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旬のサクランボ アメリカンチェリーの違いとは カロリーが高いのはどっち?

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

国産か米国産か 品種も違う 栄養面での違いは?

ダークな色のアメリカンチェリー(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ダークな色のアメリカンチェリー(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 同時期に出回るアメリカンチェリーは一般的に、輸入サクランボの総称です。米国産だけではありませんが、店頭で見るのはアメリカンチェリーが主流。そのため、一般的にサクランボと呼ばれるものは日本産、チェリーと呼ばれるものは米国産のアメリカンチェリーを指すことが多いでしょう。

 アメリカンチェリーは日本のサクランボと品種が異なり、比べるとサイズがやや大きく果肉も引き締まっています。黒っぽい赤紫色の「ビング」と、赤色の「レーニア」が代表的な品種です。この紫色は抗酸化物質の一つであるポリフェノールのアントシアニンで、生活習慣病予防が期待できます。

 国産と米国産に栄養面で違いはあるのでしょうか? 可食部100グラムあたりに含まれる栄養の一部を、日本食品標準成分表2020年版(八訂)で見てみましょう。

○エネルギー
国産:64キロカロリー
米国産:64キロカロリー

○ビタミンC
国産:10ミリグラム
米国産:9ミリグラム

○βカロテン当量(ビタミンA)
国産:98マイクログラム
米国産:23マイクログラム

○カリウム
国産:210ミリグラム
米国産:260ミリグラム

○食物繊維
国産:1.2グラム
米国産:1.4グラム

 エネルギー(カロリー)は同じで、ビタミンCとβカロテン(ビタミンA)については国産が、他の栄養素については米国産の方が上回っています。しかし、あまり違いは見られません。

 またどちらにも微量ずつですが、ビタミンやミネラル、リンゴ酸、クエン酸、ブドウ糖と果糖がバランスよく含まれています。疲労回復や美肌作用、高血圧予防効果などが期待できるでしょう。今が旬でおいしいサクランボ。国産でも米国産でも、好きな品種を適量いただくのがおすすめです。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾