どうぶつ
へその緒がついたまま捨てられた4匹の子ねこ 助けたのは大所帯の飼い主 その信念は
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ねこの発情期がピークを迎える春から初夏。この季節は捨てねこが増える時期ともいわれています。そして悲しいことに、実際に捨てられてしまった子ねこたちがSNS上で注目を集めました。4匹を助けてくれた保護主さんは、保護ねこたちのレスキューを続けている、にゃんねこ25匹の猫生活(@22nekosan)さん。自身も23匹のねこたちと暮らす保護主さんに、保護時の状況やその信念について詳しいお話を伺いました。
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ザルに詰め込まれたシーツにくるまれて放棄されていた子ねこたち
ブランケットが敷かれたカゴの中に並んだ、今にも消えそうな4つの小さな命。ペタンと寝転んだ姿からも、まだ生まれたばかりであることが見てとれます。
今月14日、保護主さんの娘さんのもとに1通のメールが送られてきました。そこに添付されていたのは、水色のザルに詰められたシーツと4匹の子ねこたちの画像。人間に放棄されたことは明らかでした。
「発見した娘の親友家族は最初、子ねこの姿に気づいていなかったそうです。子ねこたちはザルの中でシーツに挟まれており、ご家族は『お隣さんが何か置いているのかな?』と気にも留めていなかったとか。しかし、翌日も置かれたままだったザルの中から鳴き声がしたことに気づき、とても驚いたそうです」
そこで慌ててシーツをめくると、中から子ねこたちが現れました。連絡を受けた保護主さんは現場に急行。子ねこたちは雨に濡れて体が冷えきっていたことから、まずはすぐに家まで連れ帰ることを決めました。
「前日は冷たい雨が降っていたため、シーツもねこもびしょ濡れでした。4匹の体はとても冷たくなっていましたが、かすかに鳴いたり動いたりしていて一安心。この状況で全員生きているのは奇跡でした」
保護時は推定生後4日ほど 懸命のお世話ですくすくと成長中
子ねこを連れて自宅へ戻った保護主さんはまず、冷えきった子ねこたちの体を温めました。ペットボトルで湯たんぽを作り、ドライヤーの温風を優しく当てるなどして体が少し温まってきたら、次にミルクを与えます。あまりに小さかったため、哺乳瓶で飲むことができず、シリンジを使って子ねこ用ミルクを1滴ずつ飲ませました。
「保護した翌日にへその緒が取れたので、そこから逆算すると恐らく保護時は生後4日ほどだったと思います。そのため、ミルクを飲む量は数滴。本当に少しなので、飲めているのか、こぼれているのか……。きちんとミルクが足りているのかすら分からない状態でした。それでも1滴でも飲んでくれれば……と思い、2~3時間おきにミルクをあげ続けました」
こうして懸命にお世話をすること2日。子ねこたちは徐々に力強くなり、哺乳瓶でミルクを飲めるようになりました。今では排泄も増え、保護主さんは順調に育っていることを実感しているそう。今後は子ねこたちが生後3か月になる頃まで面倒を見て、知人の中から里親探しをする予定です。
「お仕事に行かれる里親さんも多いので、おトイレがきちんとできて、ドライフードを食べられるようになる生後3か月頃までは我が家で面倒を見ます。基本的には、おかおを知らない方にお引き渡ししていません。きちんと連絡が取れて、我が家まで引き取りに来ていただけることを条件としています」