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からだ・美容

マンモと超音波、針生検…乳がん検査の実際は 右胸を全摘した38歳女性の体験記

公開日:  /  更新日:

著者:島田 みゆ

組織を採る精密検査、針生検

 針生検は、局部麻酔をしてから2~3ミリ切って太めの針を刺し、組織を採る検査のこと。まさかの結果に気持ちの高ぶりもあったのか、検査そのものが不安や怖いという気持ちはまったくありませんでした。だからこそ「一刻も早く調べてほしい」という気持ちが強かったのかもしれません。

 そもそも、注射にはあまり抵抗がないタイプなので、麻酔の針を刺す時よりも薬剤を入れている時にジワッと痛い程度。麻酔が効いてくると針を刺しても痛みはなく、モソモソと動いて探っている様子だけが分かります。先生は超音波で位置を確認しながら、組織を採る位置を探っているようでした。

「組織を採る時に、バチンッとかなり大きな音がするので、驚いて大きく動いたりしないようにしてくださいね」と言われ、覚悟していると「バチンッ」。2度ほど採取して、所要時間は20分程度で終了しました。

数時間で一変したこれからのこと

 生検の結果は2週間後。仮にもしこれが悪性だとしたらという前提で、一応今後の流れや話を聞いておきました。先生もあくまでも「仮にそうだとしたらですが……」と前置きしつつも、基本的なことを教えてくれました。

○悪性の場合は病院を紹介する
○手術の場合、部分切除もしくは全摘という選択がある
○場合によっては、放射線治療で数週間毎日の通院になる
○乳がんの場合はその後の薬物治療などが必要なため5~10年など長い付き合いになる
○病院の通いやすさも大事なポイントになる

 この日の診察料は約1万4000円。「けっこうかかるな」と思いましたが、今となってはこの先いろいろな検査があるのでまだ入り口段階でした(笑)。

 クリニックにいた数時間で、景色がいろいろと様変わりしたように思えました。もちろんあのしこりが良性である可能性だってある、でも……。

 現実的に進み始めていた海外生活のこと、これからの人生のこと。どこかで今までの日々は当たり前に続くと思ってしまっていたのだなということを、強く実感させられました。

(島田 みゆ)

島田 みゆ(しまだ・みゆ)

1983年生まれ。社会人教育関係の会社で企画編集として11年勤めたのち、旅や食分野のライター、ヨガ講師、海外ツアーコンダクターの複業フリーランスに。コロナ禍で旅行の仕事が休業状態になり、好きな旅行ができないのであればと2022年からの海外生活を見据えていた矢先、38歳で乳がんが判明。3月に右胸全摘出手術を終え、現在も治療を続けながら、自身の経験を踏まえて多くの女性の心と体を健康に役立つ発信・活動をしたいと考えている。
ツイッター:@myuu_works
note:島田みゆ | 取材ライター×ヨガ講師×海外ツアコン