仕事・人生
25歳で乳がんと診断 乳房再建術や卵子凍結は「しない」 元SKE48矢方美紀さんが語る今 闘い生きる力とは
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10月は「乳がん月間」。早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝える活動が各地で催されている。国立がん研究センターの統計によると、生涯に乳がんを患う日本人女性は、「11人に1人」と言われるほど身近な病となった。25歳で乳がんと診断された元SKE48の矢方美紀さん(27)は、2018年4月に左乳房全摘出とリンパ節切除の手術を受けたのち、自身の病状をSNS上で公表した。手術から1年半が経ち、現在は再発や転移もなく、ホルモン療法を受けながら芸能活動を続けると同時に、自らの治療や闘病経験も積極的に発信する。今月16日、東京・銀座で行われたトークセミナー・FWD富士生命「がんと共に生きるためのアピアランスセミナー」にも参加。闘いながら生きる原動力はなにか、当時の気持ち、今の思いをインタビューした。矢方さんが語ったことは――。
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きっかけは小林麻央さんの報道 セルフチェックしてみたら左胸に硬いものが
今はホルモン療法を受けていますが、がんは無事に抑えられていて、髪の毛も伸びて、オシャレも楽しんでいます。告知を受けたのは去年1月。その前年の12月末、2017年6月に乳がんで亡くなった小林麻央さんについてのテレビ番組を見て、セルフチェックをしてみたんです。私はがんになるには若いと思いましたけど、もともとテレビで報じられていることを、あまり他人事とは思えない方なんです。
セルフチェックをしてみたら、左胸の上のほうに硬いものがあることに気づきました。これがしこりというものなのかわかりませんでしたが、右にはないのに左にはあるので、おかしいと思いました。年末で病院が混み合っていて予約がとれないからいいや、と思ったんですけど、友人に「すぐに行ったほうがいいよ」と言われました。
それで次の日に受診したら、乳がんのステージ1と診断されました。なぜ私が、とショックでしたが、お医者さんは深刻な雰囲気ではなく「大丈夫」と言ってくれたので、先生の言葉を信じました。
3月末に入院し4月に手術を受け、10日間ほど入院しました。2月中旬の精密検査で「ステージ2B」だったのに、術後の病理検査で「3A」という結果が出てしまいました。もっと早く手術を受けていれば、と思われるかもしれませんが、がんってそんなに急に進行するものではないそうです。それに、手術を受ける前にしっかりと考える時間があったので、私には良かったと思います。