Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

低カロリーのパイナップル 可食部は“果実”にあらず ミカンと同量の意外な栄養とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

ビタミンCや食物繊維が豊富 ただし食べすぎには注意

リンゴやバナナなど他のフルーツと比べると…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
リンゴやバナナなど他のフルーツと比べると…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 パイナップルの栄養価について、日本標準食品成分表2020年版(八訂)を基に見ていきましょう。可食部100グラムあたりの生のパイナップル(同成分表での表記はパインアップル)のエネルギーは、54キロカロリー、糖質は12.6グラムです。他のフルーツとエネルギーを比較すると同量のリンゴ(皮なし)が53キロカロリー、バナナが93キロカロリーなので、パイナップルは低めといえるでしょう。

 意外と思われる人がいるかもしれませんが、皮膚や血管の老化を防ぐ抗酸化作用、コラーゲン生成に必要なビタミンCは35ミリグラムで、ミカンと同じ量です。以上から、パイナップルは低カロリーで、肌にハリや弾力を与える美肌効果が期待できる果物といえます。

 食物繊維は1.2グラムで水溶性が0.2グラム、不溶性が1.0グラムと両方含まれています。食物繊維には整腸作用があるため、大腸がんや生活習慣病の予防も期待できそうです。

 また、タンパク質分解酵素のブロメラインを含むため、肉をやわらかくすることができます。しかし、この成分は熱に弱く活性が失われてしまうため、肉をやわらかくしたい場合は、加熱する前に漬け込むと良いでしょう。酢豚のような加熱料理は、風味付けとして用いられていることが多いようです。

 主菜である魚や肉はタンパク質を多く含みます。そのため、食後に生のパイナップルを食べることにより、タンパク質の消化促進効果が期待できます。

 ただし、胃の粘膜のタンパク質まで反応してしまうため、食べすぎは良くありません。同様に、口の中や唇などが荒れることもあります。南国の果物であるため、食べすぎると体を冷やすことも。適量をいただきましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾