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車が浸水したらエンジンをかけてはダメ! 冠水した道路を走行する危険性とは
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26日から27日にかけて日本各地を襲った大雨。日本の南には梅雨前線も発生し、今年もいよいよ本格的な梅雨のシーズンがやってきます。昨今の梅雨は“しとしと”降る雨だけでなく、局地的に襲う“ゲリラ豪雨”になる傾向が目立ち、天気予報や雨雲の動きには今まで以上に注意が必要です。その中で意外と注意を怠りがちなのが、自動車で冠水した場所を走ること。気をつけるポイントはどこにあるのでしょう。
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スピードを出して冠水地を走ると車内が浸水する可能性が高くなる
急に大雨が降ると河川や海岸線の近くでは一気に水位が上がったり、高波に襲われる危険性もあったりするため、近づかないようにする人が多いでしょう。しかし、車で走行中に豪雨に見舞われた場合、気づかぬうちに道路が冠水していたということもあります。
また、大雨で身動きがとれなくなって家族や友人に車で迎えに来てもらうという光景もよく見かけます。歩くよりは安全で安心、なんて思うかもしれませんが、むやみに動くことはNG。実は車で冠水した場所を走行するのは多くの危険が潜んでいます。
国土交通省は2019年秋の台風19号をはじめとする大雨被害が続いた際、自動車の水没などで運転者や同乗者が亡くなるケースが多かったとして、公式ウェブサイトでいくつかの注意喚起を行っています。
エンジンやモーターで駆動する自動車は電気装置で制御されているため、水深が床面を超えて浸水すると、最悪の場合はほとんどの機能が停止。走行速度が速いほど浸水の可能性は高くなるそうです。車両が浸水した場合は、自分でエンジンをかけてはいけません。過去には電気系統のショート等により、車体が自然発火する現象が報告されています。
また、浸水しないからといって冠水地を走ったとしても、水深がドア高さの半分を超えると、車外の水圧で内側からドアを開けられないという事態になります。水流があると車体が流される危険性や、タイヤが完全に水没すると車体が浮き、制御が効かなくなる恐れも指摘されています。
車体が浸水して電気系統がダウンしてしまうと、パワーウィンドウも動作しなくなり窓が開かなくなります。閉じ込められてしまうことを回避するためにも、車内に脱出用のハンマーを常備しておくことも重要です。
最近は金づちタイプのものだけでなく、ガラスに直接押し当ててスイッチを押すだけで割れるポンチタイプのものも登場。力が弱い女性や年配の方でも簡単に安心して使うことができるようになっています。また、シートベルトカッターやライトが装備されているハンマーもあり、用途を確認しておくことも必要です。
もちろん、ゲリラ豪雨などで発生した冠水地を走行しないのが一番の安全策ですが、天候の急変などで“まさか”の事態は突然やってきます。有事の際に助けになる装備の点検など、普段から注意を払っておいた方がいでしょう。
(Hint-Pot編集部)