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タワマンって結局どうなの? 駐車場など意外なデメリットも存在 不動産のプロが解説

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

人気のタワーマンション。メリットとデメリットをプロが解説(写真はイメージ)【写真:写真AC】
人気のタワーマンション。メリットとデメリットをプロが解説(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 近年人気のタワーマンション。東京都心では再開発が進み、23区内に100棟以上のタワマンが誕生したことから、一躍注目を集めました。現在も物件によっては、価格が落ちず高値での売買が続くなど、変わらぬ人気ぶりを見せています。しかしそうした状況の裏で、「住んでみると良いことばかりではない」といった声も。実際のところタワマンにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。不動産のプロにお聞きしました。

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タワマンのメリットは何といっても「眺望の良さ」

 日本におけるタワマンの歴史は、1976年に住友不動産が建築した21階建ての「与野ハウス」(埼玉県与野市)から始まりました。タワマンは概ね20階建て以上の住居用高層建築物を指しますが、建築技術の進化とともにさらなる高層化が進み、60階建てのものも生まれています。

 90年代後半頃から首都圏でのタワマン建設が進み、2002年には地上47階・地下2階建ての「東京ツインパークス」が誕生。2005年には「高輪ザ・レジデンス」が、2007年には「ワールドシティタワーズ」(以上すべて東京都港区)が建てられ、タワマンが注目を集めるようになりました。

 2007年頃からタワマンの建築ラッシュも徐々に落ち着いてきていますが、希少価値はまだまだ高く、不動産通の中には今後も「タワマンの価値は落ちない」と考える向きもあるようです。「Hint-Pot」の連載で沿線別のおすすめ駅を紹介している「コレカライフ不動産」(東京目黒区)の姉帯裕樹さんは、メリットについてやはりその眺望の良さを挙げます。

「共用施設や設備の充実、ハイセキュリティ、ステータス性などのメリットはありますが、一番は眺望の良さでしょう。ウォーターフロントや夜景が望めるタワマンなら『住んでいるだけで満足』という人も多いのではないでしょうか。低層マンションにはない部分です。また、再開発で建てられている場合は駅に近く、通勤通学に便利なこともメリットです」

 ただし、世帯数の多さにより発生するエレベーターでの待ち時間を考えると、物件によっては微妙なところもあるそう。それでも、世帯数の多さはメリットも産みます。

「世帯数が多くなると、その分、公開空地を設けることがタワマン建設の際のルールになります。そのため、周りには緑地や公園が整備されたりする場合が多いのです。ただし、ただ木を植えただけで終わっている場合もあるので、購入を考える際は実際に自分の目で見て確認した方がいいでしょう」

 実際の生活においては、ゴミを出す場所がフロアごとに用意されていることも、メリットの一つといえます。一方で、毎日の洗濯に関しては少し大変かも?

「高層階では洗濯物をバルコニーに干せない部屋も多く、代わりに備え付けられている浴室乾燥機は人数が多いファミリー世帯にとってあまり実用的ではないかもしれませんね。そうした場合を考えると、タワマンは買わずに賃貸で楽しんだ方がメリットをうまく享受できるかと思います。

 例えば、若いうちに賃貸でタワマンに暮らしてみると、生活にハリが出やすくなるでしょう。貴重な体験をした後、ある程度年齢が落ち着いたり家族ができたりしたら、戸建てか低層マンション、かつ生活しやすいエリアで暮らすという選択肢もあります」