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からだ・美容

乳がんが確定するまでの悶々とした日々…右胸全摘の38歳女性が乗り切った方法とは

公開日:  /  更新日:

著者:島田 みゆ

2年ほど会っていなかった叔母に連絡 以後は実母のような存在に

 その日の夜、叔母に電話をしました。正確には、携帯番号も分からないところからのスタートです。縁遠いわけではなかったのですが、普段ごはんに行ったり電話をしたりするような仲ではなく、冠婚葬祭や法事などで会う程度。コロナ禍もあって少なくとも2年は会っておらず、その間も連絡を取ったのは1度くらいでした。

 そんな関係なのに都合の良い時だけ頼るのも不義理だな……とも思いましたが、母のような立場で頼れるのは「この人しかいない!」と思ったのです。

 2年以上ぶりの会話で、突然乳がんの話。昔から健康優良児、最近もあちこち飛び回っていた私を知っているだけに、とても驚いていました。これまでの経緯を話したところ、決して場所が近いわけではないのに、予約した大学病院の外来に同伴してくれることに。それ以降、主治医もしばらくは実母だと思っていたほど、私の支えと助けになってくれています。

 病気になった人の気持ちは、その当事者にしか分かりません。どんなことがあっても、最終的には自分でどうにかするしかないのも事実で、その立場ではない人に話しても「意味がないのでは」と思われるかもしれません。私も人にいろいろな話をするものの、どちらかといえば何でも自分で決めて「人に頼る」ことはしないタイプでした。

 でも不安や心配があった時、抱え込まずに勇気を持って人に頼ることも大切だと気づきました。ふとした人の言葉が大きな助けになって、元気になれることがあるのです。

 また自分が思っている以上に、「助けになりたい! 力になりたい!」という人も、きっと存在します。責任感が強く、弱音を吐かない人ほど、誰かに頼る一歩を踏み出してほしいなと思います。

(島田 みゆ)

島田 みゆ(しまだ・みゆ)

1983年生まれ。社会人教育関係の会社で企画編集として11年勤めたのち、旅や食分野のライター、ヨガ講師、海外ツアーコンダクターの複業フリーランスに。コロナ禍で旅行の仕事が休業状態になり、好きな旅行ができないのであればと2022年からの海外生活を見据えていた矢先、38歳で乳がんが判明。3月に右胸全摘出手術を終え、現在も治療を続けながら、自身の経験を踏まえて多くの女性の心と体を健康に役立つ発信・活動をしたいと考えている。
ツイッター:@myuu_works
note:島田みゆ | 取材ライター×ヨガ講師×海外ツアコン