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犬の出産は人間の手が必要 100回以上立ち会った訓練士が語る自家繁殖の大変さ

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:稲垣 芳人

稲垣さんの愛犬でカニンヘンダックスフンドのミューちゃん【写真:Hint-Pot編集部】
稲垣さんの愛犬でカニンヘンダックスフンドのミューちゃん【写真:Hint-Pot編集部】

 犬を飼っていると、愛犬の子どもを見てみたいという願望を一度は抱いたことがあるのではないでしょうか。犬は安産の象徴とされているためか、お産のリスクが低いと思われがちですが、安易な繁殖には危険が伴います。どんな犬種であっても出産が大変なことに変わりありません。そこで犬の訓練士であり、毎年2回ほど愛犬の繁殖を行っている稲垣芳人さんに、犬のお産に関する現実をお聞きしました。

 ◇ ◇ ◇

愛犬の繁殖も行う訓練士の稲垣芳人さん

 僕は犬の訓練士コースがある専門学校を卒業後、訓練士としての実績を積むため、ドッグスクールに約9年間従事しました。そこで犬種を問わず、訓練や繁殖について学び、「日本シェパード犬登録協会 公認三級訓練士」の資格を取得(現在は二級)。自身のドッグスクール「Hundeschule Inagaki」を開業し、都内を中心に犬の出張訓練を行う他、トレーナー兼看護師として動物病院に勤務しています。

 その傍ら、年に2回ほどは愛犬のカニンヘンダックスフンドとトイプードルの繁殖も行っています。修業期間から合わせると、これまで100回以上のお産を見てきました。けれども、楽なお産など一度もありません。今回は犬の出産について詳しくお話ししていきます。

 愛犬の出産を考えるならば、産科・繁殖分野に詳しい獣医師の存在が何より重要です。メスは成犬になると、約半年に1回(年2回)発情期がやってきます。通常、生後6~10か月で初めてのヒート(発情期)を迎えますが、交配をさせるのに適した年齢は1歳半~5歳頃までといわれています。

 交配を終え無事妊娠すると、食欲低下などの兆候が見られることがあります。犬の妊娠期間は、人と比べて短く64日ほど。妊娠中期になったら、フードを妊娠・授乳期用に変え、食べる量も増えるので調整していきます。

 そして出産が近づいてくると、動物病院で検査を行います。僕の場合は40日頃に超音波検査で妊娠の確認を、45日頃にX線検査をお願いしています。これは胎仔の数や産道をきちんと通るかを確認するためですが、ここで頭数は確定しません。出産予定日2~3日前に再度X線検査を行い、このタイミングでほぼ分かります。出産予定日の誤差は前後3日ほどです。

犬の出産に向けて用意するもの

 それでは出産当日の流れについて、昨年末に出産した僕の愛犬であるカニンヘンダックスフンドの「ミュー(μ)」の例と合わせてご紹介します。

【用意するもの】
・産箱
 僕は木材を使って手作りしていますが、段ボールなどでも大丈夫です。高さは子犬が出られないくらい、広さは母犬が横になった際に余裕がある程度で。

・新聞紙
 産箱の中に新聞紙を敷いています。タオルでもかまいませんが、汚れたらすぐ取り換えた方がいいので、新聞紙の方が手軽です。

・ハサミと糸、アルコール
 ハサミはへその緒を切るのに使います。使用する際にアルコールで消毒をしましょう。糸の用意は、母犬がへその緒をうまく処理できなかった時に縛るためです。

・はかり
 生まれた子犬たちの体重を測るため。キッチンスケールでもOK。

・タオル(大・小)
 子犬が誕生したらすぐに使用します。しっかりと子犬を拭いて乾かしてから、母犬の元に返しましょう。羊水がついたままでいると、体温が下がるため要注意。

 その他に用意しておくといいものは、ペットヒーターやペットボトル湯たんぽ。冬場は特に温度が下がりやすいため、子犬たちの体温が下がらないよう管理が必要です。また夜間の出産であれば、あまり部屋を明るくしない状態で臨む方がいいため、手元が照らせるライトも用意しておくといいでしょう。

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