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ゲリラ豪雨で注意したい車の水没事故 検証動画でJAFが危険性呼びかけ
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初夏を通り越し、真夏を思わせる日も多くなってきた日本列島。とはいえ日本の南には梅雨前線が停滞し、本州の梅雨入りは間近に迫っています。近年は短期間で局地的に大量の雨がもたらされる“ゲリラ豪雨”も頻発。そこで増えてきているのが車の水没事故です。一般社団法人 日本自動車連盟(JAF)沖縄支部は「冠水路走行の注意点」を検証するテスト映像を用いて、水没時の対処法を解説。大雨や集中豪雨時の危険性を呼びかけています。
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水深30センチまではOK 90センチになるとドアは開けられず
突然の大雨の際に発生する冠水路。過去の事例から注意を払っている場所ならまだしも、周辺の河川からの水の流入や排水施設の不調などで予期せぬ冠水が発生することも少なくありません。気をつけなければならないのは、歩行者なら回避するような状況でも“車でなら通過できる”という根拠のない過信。冠水路に進入してしまい、身動きが取れなくなって救助を求めるというケースも散見されます。
その中でも怖いのは、車内が浸水したことでドアが開かなくなり、閉じ込められてしまうケース。そこでJAFでは、冠水路に進入して水没した車について、運転席のドア開けテストを実施した2014年の動画に改めて注目。動画内では河床地試験場のスロープ(傾斜5.7度)と平坦部分を使用し、水深30センチ、60センチ、90センチ、120センチの状況で女性がミニバンの後部スライドドアを開けられるのかを検証しています。
水深30センチの状態では難なく開けることができましたが、60センチになると車内への浸水も進行。水圧で重くなったドアを開けるのに55秒かかりました。
水深90センチのところに進入すると後輪が浮いてしまい、ほぼ制御不能の状態に。車内は足元まで浸水しており、ドアを開けることができませんでした。ところが、これが完全に水没した状態になると、車内の浸水が進んだことで車内外の水圧差が小さくなったため女性の力でも1分以内に開けることができました。
最後に120センチだと、後輪が浮いた状態ではドアはまったく開けられず。完全に水没した状態では90センチの時よりも20秒ほど早く開けられました。後輪が浮いた状態では車内外に水位差があるためにドアは開けにくく、完全に水没してしまった方が開けやすくなるという検証結果が得られています。
開かなくなった車の窓はハンマー以外では割れない!?
とはいえ、車内が浸水して混乱した状況の中で通常の力を出せるかは難しいところ。車の構造によってはまったくドアが開かないという事態も想定できます。JAFでは「水没時、何を使えば窓が割れるのか」というテストも実施。水没時にドアが開かない時、車内にありそうなもので運転席のサイドガラスを割ることができるかを検証しています。
使用したアイテムはヘッドレスト、小銭を入れたビニール袋、スマートフォン、先がプラスチック製のビニール傘、車のカギ、脱出用ハンマー3種(ポンチタイプ、金づちタイプ、小型ポンチタイプ)。試してみたところ、ハンマー以外のものでは窓を割ることができず、貫通しにくい合わせガラスを使用しているフロントガラスはハンマーでも割れないという結果に。狭い車内では力を入れにくいため、アイテムの強度を生かせないというのが大きな理由のようです。
JAFでは集中豪雨時に車の浸水トラブルを防ぐポイントとして、(1)なるべく運転を控える、(2)周囲より低い位置にある道路を避ける、(3)冠水している道路を避ける、(4)車の保管場所の安全確保、(5)脱出用ハンマーの常備を挙げています。豪雨に直面した場合には慌てずに行動することを心がけましょう。
(Hint-Pot編集部)