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“3時のおやつ”は江戸時代が起源 「時の記念日」に学ぶ日本文化

公開日:  /  更新日:

著者:鶴丸 和子

おやつの習慣は江戸時代の風習に由来 自然のリズムに合った時間の流れ

 おやつの習慣は、江戸時代の風習に由来するといわれています。昔は1日2食、朝食と夕食のみの生活でした。日中の農作業の休憩時間に間食を取ることもありましたが、江戸時代になると未の刻(午後1時~3時)に空腹をしのぐための間食を取る風習が広まりました。

 この時間帯が未で「八つ」の刻といわれていたことから、「御八つ(おやつ)」と呼ばれるように。これが「おやつ」の起源といわれています。

 電気もなく、明るいうちに働き、暗くなったら休む暮らし。太陽の出ている時間が長い夏は活動時間が長く、短い冬は短くなりました。自然のリズムに合った時間の流れだったのでしょう。

 現代の暮らしは、電気があるのは当たり前、技術の進歩で便利な世の中になったといえますが、何かと忙しく、心の豊かさを失って過ごすことが多いのかもしれません。時間は有限。時の記念日にちなみ、今を大事にしていきたいですね。

【参考】
「365日を豊かに過ごす 日本の四季、二十四節気、七十二候」(宝島社)
「季節の行事と日本のしきたり事典ミニ」新谷尚紀著(マイナビ文庫)
レファレンス協同データベース(福井県立図書館、山梨県立図書館)
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000056665
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000000755

(鶴丸 和子)

鶴丸 和子(つるまる・かずこ)

和文化・暦研究家。留学先の英国で、社会言語・文化学を学んだのをきっかけに“逆輸入”で日本文化の豊かさを再認識。習わしや食事、季節に寄り添う心、言葉の奥ゆかしさなど和の文化に詰まった古の知恵を、今の暮らしに取り入れる秘訣を発信。
インスタグラム:tsurumarukazu