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歩くランプ型ロボットがトイレまで案内 精巧な作りに22万人衝撃 「めちゃくちゃ天才」

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ベッドサイドランプが動き出したら…(画像はスクリーンショット)
ベッドサイドランプが動き出したら…(画像はスクリーンショット)

 就寝中、ふと目が覚めてトイレに。そんな時に困るのが明かりです。暗い部屋の中でベッドサイドランプや天井照明のスイッチを探す時間が長くなると、無理に目覚めた感覚が強く残ってしまい、寝つきが悪くなるような……。そんな悩みを解決してくれる“ロボット”がツイッター上で22.9万件の“いいね”を集めています。制作者のlanius(@lanius)さんにお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

小型コンピューターとモーターが内蔵された精巧なロボット

「歩くベッドサイドランプできた。これで夜中に起きちゃってトイレ行く時も怖くない」とのメッセージとともに、ツイッターで公開された1本の動画。暗がりの廊下で、立方体型ランプを乗せた6本脚のロボットがゆっくりと人間を誘導しています。

 一見するとドキッとしてしまいそうな出で立ちですが、その動きは実にリアル。1本1本の脚が独立して動き、昆虫などの多足類の節足動物が歩くような姿を忠実に再現しています。制作したのはITエンジニアとして活躍するlaniusさんです。

「各脚に3つずつモーターが備わっています。ランプの下に小型のコンピューターを内蔵し、それがすべての脚とつながり動きを指示する仕組みです。リモコンからの指令に応じて、移動するために適切な関節の角度を自動で計算し、モーターを制御しています」

 映像にはlaniusさんのお子さんがロボットを見て逃げ出してしまう様子も収められていますが、これはご愛敬。動画がツイッターで公開されると、22.8万件もの“いいね”が集まりました。リプライ(返信)には「めちゃくちゃ天才」「歩行型ライトという発明力、技術力はマジで素晴らしい」という称賛の声とが続出。歩幅が小さいのがかわいい」「ちょこちょこ歩くの好き」とロボットに愛らしさを感じたという声も寄せられています。

 しかし、それ以上に圧倒的に多かったのが「怖い」という感想。「私なら泣いちゃう」「目に焼き付いて眠れなくなる」「漏らしてしまいそう」という声とともに、アニメや漫画に登場した類似キャラクターの写真やイラストなども寄せられ、少々意外な盛り上がりも見せているようです。

「普段動かないものが動いたら楽しいだろうな」

 独特すぎるベッドサイドランプ型ロボットを制作したlaniusさん。開発のきっかけは一体何だったのでしょう。

「普段から生活の中で『本来動かないものが動くことによって便利になるシーンはないだろうか』と考えていて、いくつかの案の中からベッドサイドランプに着目しました。もし普段動かないランプが動いたら、人が必要な場所に必要なだけの明かりを提供し、さらに暗い中を同伴して歩いてくれる頼もしいパートナーとして“安心感”に寄与できるのではないか、と思いついたからです」

 laniusさんは8~9年前からロボット制作に興味を持っていました。あくまで「ロボット開発の技術は独学で、趣味であり自己研鑽の一環」だそうですが、制作への意欲は徐々に“生活で役立つもの”に特化していったそうです。

「元々のスタートは、『心がある』と感じられるような人工物を作りたいと思ったことです。最初は簡単なデジタル生物やペットロボットを作ったり遊んだりしていたのですが、毎回飽きて使わなくなってしまいました。

 ある時、その理由は人工物に愛着や『心がある』と感じないからではなく、使わないから心を感じるようにならないのではないかと思うようになりました。そこで飽きに関係なく、日常で使い続けられるような、生活の役に立つ人工物を作ろうと考えたのです。

 そこで『もし私たちの身の回りに普段からある動かないものが動いたら、便利なだけでなくにぎやかで楽しいだろう。そんなものがあふれる家で暮らしたい』などと考え、『動いて人の役に立つもの』のプロトタイピングを始めました」

 laniusさんは「歩くおもちゃ箱」型のロボットも制作し、先月にはテレビのバラエティ番組で紹介されたばかり。動きの奇妙さや面白さとともに技術力が高く評価され、自身の思いや信念は間違っていなかったことが証明されました。

 とはいえ、今回のベッドサイドランプ型ロボットを公開したことによる反応には一部、予想外のものがあったそうです。

「上の子は慣れてきたこともあり、『かわいい』『楽しい』と言ってふれあってくれています。また、ツイッターで多くのコメントをいただいており、『○○で使えそう』『○○してはどうか』と用途や機能、デザインに提案いただけるのは刺激的です。

『怖い』という反応は想定していたのですが、「(怖くて)漏らしてしまう」という方が一定数いるのは誤算でした。トイレに連れて行ってくれるはずのロボットなのに、持ち主が漏らしてしまってはデザイン的には失敗ですね。学びがありました」

 laniusさんが制作したロボットの数々はツイッターだけでなくYouTubeチャンネル「lanius」でも見ることができます。これからも独創的で機能的なロボットを多くの人を楽しませてくれそうです。

(Hint-Pot編集部)