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胸全摘と抗がん剤治療は“絶対”ではない? 罹患した38歳女性が語る乳がんの複雑さ
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術式は? 乳房再建は? 検査結果から発生するさまざまな選択
前回の記事の一通りの検査を終え、結果を聞くため二度目の診察へ。私の診断結果は、以下の通りでした。
○病名:浸潤性乳管がん
○サブタイプ:ルミナルA
○しこりのサイズ:2.4センチ
○リンパ節、他臓器への転移:なし
○ステージ:IIA
ホルモンが大きく影響しているタイプのためホルモン療法が効果的、しこりの大きさや転移有無からステージIIAと診断されました。まず手術の術式(全摘か部分切除か)で放射線治療の有無が決まり、薬物治療という流れです。
ただし、これはあくまでも術前のもので、最終的なステージや薬物治療の方針は、術中のリンパ節生検と術後の病理結果で決まるとのことでした。
ここからまた、術式はどうするか、乳房再建をするかしないか(同時にするか、する場合は人工物か自家組織か)、手術のタイミングはいつにするか、卵子凍結をするかしないかなど、いろいろな選択が必要になります。
乳がんは複雑 だからこそいろいろな可能性がある
私自身、自分が罹患するまで、乳がんのサブタイプやステージの決まり方などをまったく知らず、患者になって初めてその複雑さを知りました。周囲にこうした詳しい話をすると、ほとんどの人が同じように「まったく知らなかった……」と口を揃えます。
ケースバイケースではあっても、胸は残せるかもしれないし、取ってもきれいに再建できる。抗がん剤は不要かもしれないし、必要であっても期間は短いかもしれない。これまでになかった新しい薬が開発されて、今後の治療において定番になるかもしれない。
乳がんの治療は長く続きますが、単純に病気=悪とイメージするのではなく、こうしたいろいろな可能性を信じて向き合っていくことが大切なのだと思います。
(島田 みゆ)
島田 みゆ(しまだ・みゆ)
1983年生まれ。社会人教育関係の会社で企画編集として11年勤めたのち、旅や食分野のライター、ヨガ講師、海外ツアーコンダクターの複業フリーランスに。コロナ禍で旅行の仕事が休業状態になり、好きな旅行ができないのであればと2022年からの海外生活を見据えていた矢先、38歳で乳がんが判明。3月に右胸全摘出手術を終え、現在も治療を続けながら、自身の経験を踏まえて多くの女性の心と体を健康に役立つ発信・活動をしたいと考えている。
ツイッター:@myuu_works
note:島田みゆ | 取材ライター×ヨガ講師×海外ツアコン