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義務付けなければ変わらない? 育休の新愛称“育業” 「期待できない」は半数以上

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

育休の愛称が「育業」に決定。どのような変化が考えられる?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
育休の愛称が「育業」に決定。どのような変化が考えられる?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 厚生労働省が発表した「令和2年度雇用均等基本調査」によると、女性の育児休業取得率は87.5%、男性は15.8%。近年は男性の育休取得が注目されるようになってきましたが、依然2割に満たないのが現状です。そこで東京都は誰もが育休を取りやすい社会へとマインドチェンジを促すため、育休の愛称を「育業」に決定したと発表。この取り組みに対して、多くの人はどのように感じたのでしょう。アンケート結果をご紹介します。

 ◇ ◇ ◇

約9000件の応募の中から選ばれた「育業」

 東京都の小池百合子知事は29日、都が展開する「こどもスマイルムーブメント」の取り組みの一環として、「育児休業」に代わる新しい愛称「育業」を発表。8825件の応募の中から選ばれました。

 この新愛称には、「『育児のために仕事を休む』のではなく、『大事な仕事である育児に取り組む』と考えるマインドチェンジを進め、男女を問わず望む人誰もが『育業』できる社会を目指す」というコンセプトが込められています。

 この発表を受け、コネヒト株式会社(東京都港区)は「育業」に関するアンケート調査を実施。3923件のデータをまとめています。

育休=休み イメージ払拭に期待するのは2割ほど

育業で休みのイメージの払拭が期待できない人は4割以上に ※本調査は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計値は必ずしも100%にならない場合があります【出典:コネヒト株式会社】
育業で休みのイメージの払拭が期待できない人は4割以上に ※本調査は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計値は必ずしも100%にならない場合があります【出典:コネヒト株式会社】

 まず、「育休の新愛称『育業』によって、休みのイメージは払拭できそうですか?」という設問に対し、最も多かったのが「期待できない」の43.7%。「期待できる」と回答した20.7%の2倍以上の人が、新たな名称について成果が望めないと感じているようです。

 以下は「期待できない」と回答した人の自由回答。「育休」という言葉が浸透しており、周囲の考え方次第だと感じている人が多いようです。

【「期待できない」と回答した人の声】
「周りの意識が変わらないと、名前を変えただけでは何も変わらない」
「名称が変わっても、仕事をしてないから休みととらえられるのには変わりない」
「育休が根付いてしまっているため。また、日本の歴史的に家事育児を仕事として認識している人が少ないため、育業は根付かないと思う」

 一方、「期待できる」と回答した人のコメントを見ると、「育休は決して休みではない」という新たな概念を示す言葉に感謝の声も。また、育児経験のない人たちがイメージしやすくなるのではといったポジティブな意見が寄せられています。

【「期待できる」と回答した人の声】
「まずは形から変えることが意識の変化につながると思うから」
「男女問わず、出産、育児の経験がない場合には、具体的な過ごし方のイメージがつかないので(自分もそうだった)、名前から変えてみるのは大いにありだと思います」
「家のこと、家事や育児も『業』と言ってくれてありがたい」
「育児経験のない人は育休を休みだと思ってしまいそう。育児は休みなしだと身をもって学んだので、この認識が広まったらいいなと思った」