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結婚・妊娠「ない」と言わなければ続けられない…働く女性たちのリアルな不安

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

働く女性を取り巻く「環境」の問題。支障を感じた具体例とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
働く女性を取り巻く「環境」の問題。支障を感じた具体例とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 働く女性は増えていますが、取り巻く環境については多くの問題が残っています。世界経済フォーラムが2019年12月に発表した「ジェンダーギャップ指数2020(男女格差指数)」によると、日本は153か国中121位。女性の社会進出が阻まれている日本の現状は深刻なようです。働く女性への調査から、「女性であること」が理由で仕事に支障を感じた具体例を見てみましょう。

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結婚・妊娠に対する企業側の“探り”も

 ZaPASS JAPAN株式会社は2021年3月、女性のキャリアに関する調査を実施しました。対象は働く女性326人です。

 まず「今後のキャリアに不安はありますか」という設問では「とてもある」(33.1%)と「ややある」(49.7%)を合わせて、「不安がある」と回答した人は82.8%に上りました。不安があると回答した人に具体的な不安を尋ねる設問では、以下のランキングとなっています。

【どんな不安を感じていますか(複数回答可)】
1位「ライフステージが変わった時の働き方(結婚・出産・介護など)」(54.1%)
2位「フルタイムで働き続けられるか」(49.6%)
3位「将来も今の仕事があるかどうか」(39.6%)
4位「将来も今の仕事で収入が担保できるか」(39.3%)
5位「働くのに十分な体力が保てるか」(38.1%)

 ライフステージの変化には結婚や出産、介護などがあります。この変化で以前のような働き方ができなくなった……という話もよく聞きますよね。体調を崩した家族の看病や子どものお迎えで時短勤務を余儀なくされるなど、家族の都合に合わせなければならない場面は女性に多くあります。

 次に、「働く上で、女性であることが不利だと感じたことはありますか」との設問では、「ある」が67.2%で、「ない」(32.8%)の倍以上となりました。具体的なエピソードとしては、自由回答で以下の声が寄せられています。

【女性が不利だと感じたこと:結婚・産休・育休前】
「転職時の面接で結婚の可能性を聞かれる。在職中の個人面談でも、結婚の可能性や出産について探りを入れられ、ないと言い切らなければ仕事を続けさせてもらえない」
「ライフステージが今と変わったらフルタイムは難しい。結婚しようとした時に相手との兼ね合いで、相手は仕事を変えられないので自分が仕事を辞めざるを得ない時があった」
「結婚した同僚が、今後妊娠して産休を取るリスクがあるからと部署を異動させられた」
「今の会社に産休や育休の実績がないため、子供ができたら辞めなければいけないため」
「妊娠しながら仕事をしていた時。提示されたポストが流れかけた」
「妊娠、出産により業務へ支障やキャリアのストップがある。結婚して辞めるかもしれないと昇進や人材育成に力を入れてもらえない」

 これまでのキャリアを捨てたり、部署を異動させられたり、仕事を辞めなければならなかったり……やはりここでも、ライフステージの変化が要因となっているようです。産休・育休・保育園など、働く女性を支援する要素が不足している状況がうかがえます。