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からだ・美容

「夏バテ」と勘違いしがちな「夏季うつ」に要注意 精神科医が警鐘

公開日:  /  更新日:

著者:柳田 通斉

教えてくれた人:木村 好珠

食事面で睡眠の質を上げる工夫を 生活面では無理をせずに

スポーツメンタルトレーニングを学び、アスリートや子どもたちのサポートする他、企業の産業医を務める精神科医、木村好珠さん【写真:荒川祐史】
スポーツメンタルトレーニングを学び、アスリートや子どもたちのサポートする他、企業の産業医を務める精神科医、木村好珠さん【写真:荒川祐史】

――より良い睡眠のために食事面で気を付けることは。

「夕食で魚介類を食べると良いですね。理由はアミノ酸のグリシンが含まれているからです。グリシンは、脳幹など中枢神経で抑制系の神経伝達物質として働き、睡眠の質を高めてくれます。体温を下げる効果もあります」

――朝食も影響はありますか。

「もちろんです。良質の睡眠を得るためにも、気分を上げるためにも、まずは、トリプトファンの多い食材を積極的に取り入れることが重要です。トリプトファンは、体内で合成することができない必須アミノ酸なので、食事で補う必要があります。バナナ、牛乳、チーズ、大豆、豆腐などに含まれていて、日中は脳内でセロトニンに変化。夜になると睡眠を促すメラトニンに変化していきます。つまり、朝食は必ず取る。時間がなくても、『バナナと牛乳だけは』という心がけが大切です」

――生活面で気を付けることは。

「夏になるとテンションが上がる人も多く、野外でビールを飲むとか、イベントに行くなどのケースが増えてきます。ただ、周りのペースに合わせてばかりいると、ストレスがたまります。なので、『無理はしない』『マイペース』を心がけてください」

――「無理をしない」は、仕事でもそうでしょうか。

「自分の調子をとらえずに、『仕事は常に100%』は良くありません。感情、体調にフタをしてしまい、『まだ、頑張れる』を続けていると、どんどん深刻なことになります。車に例えると、アクセルを踏んで『エンジンの調子が良くない』と感じた時に、メンテナンスをして部品交換にするのか、完全に故障してから時間をかけて修理をするのかの判断。ですので、体調が悪いと感じた時も、『残業をしない』『半休する』などの自己判断をしてください」

――とにかく体調を整えることが、メンタル状態の良化にもつながるということですね。

「はい。心と体は直結していますので、胃腸を守るためにも、冷たい物を摂りすぎたり、激辛など刺激が強いものは避けた方がいいですね。そうして、体の不安を少なくしていけば、心の状態もより良くなっていきます」

(柳田 通斉)

木村好珠(きむら・このみ)

1990年2月28日、東京都生まれ。東邦大学医学部卒。大学1年生で準ミス日本に輝き、芸能活動を開始。日本テレビ系「シューイチ」などに出演した。2014年に医師免許取得。慶應義塾大学病院での研修後は精神科医に。現在は脳疲労専門メディカルスパ「ブレインパーク」などでクリニック勤務を続けながら、産業医として企業の健康づくりに携わる。また、J1北海道コンサドーレ札幌のアカデミー、J2横浜FCのアカデミーでもメンタルアドバイザーを務めている。趣味はサッカー観戦とアニメ鑑賞。ホリプロ所属。