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からだ・美容

寝たきり、産後うつ、適応障害…「くびれ専門家」塔筋真弓さんの波乱万丈半生

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・佐藤 佑輔

塔筋真弓さん【写真提供:塔筋真弓】
塔筋真弓さん【写真提供:塔筋真弓】

“くびれ”の専門家として、メディアにも出演している腸トリートメント専門サロン「B.Q.Bくびれ研究所」所長・塔筋真弓さん。大学卒業後は大手外資系IT企業に勤務、プライベートでは3児の母という塔筋さんが“くびれ”に目覚めたきっかけは何だったのか。波乱万丈の半生に迫った。

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中学時代に“寝たきり”生活を経験 健康に生きられることのありがたみ実感

「私の場合は『くびれ』よりむしろ『腸』が魅力的なキーワードでした。元々、エステや美容よりも健康への興味が強くて。人間の体に関わるような仕事がしたいというのがこのサロンを始めたきっかけでした」

 塔筋さんが健康な生活について考えるようになったのは中学生の時。原因不明のまま頸椎を痛め、1か月間寝たきりの生活を余儀なくされた。食事やトイレも介助を必要とする生活を経て、リハビリを重ね退院。普通に生きていられることのありがたみを痛感したという。

「首が動かせないので、テレビを見るのも面会に来てくれた友達の顔を見るのも鏡越し。幸いいじめはなかったけど、治療の一環で頭蓋骨にボルトを埋める手術で、髪を刈り上げなければいけなかった時は『もう学校に行けない!』と大泣きしましたね」

 多感な時期につらい経験をしたことから、大学では健康福祉や臨床心理学を専攻。大学で学んだことを社会で実践しようと、新卒で大手の外資系IT企業に営業職として入社するも、心身を病み離職する。

「就活では、自分のその後の人生では絶対に行かないような道を選びました。大学時代からバリバリ働くのが好きだったし、体力にも自信があったんですが、結局心のバランスを崩してしまった。メンタルの不調って、誰にでも起こり得ることなんだと実感しましたね」

3度の産後うつを経験 その後に感銘を受けた腸マッサージとの出会い

 フリーランス転身後に結婚。3回の出産ではいずれも産後うつを発症、適応障害と診断されるなど、度重なる精神的不調に悩まされた。転機は3人目の子を出産した後、友人から勧められた腸マッサージを体験したこと。初めての施術で、信じられないほどの心地よさを感じたという。

「腸のケアと心のケアがつながっていると身をもって実感しました。ひょっとして、腸マッサージやカウンセリングを通していろんな人の心の支えになれるのかなと」

 目標に掲げるのは体型維持や肉体的な健康だけにとどまらない、心のケアまで行えるプライベートサロンだ。これまで何度も経験してきた塔筋さんだからこそ、ホルモンバランスからの心身の不調は決して珍しいことではないと力説する。

「産後うつは本当にありふれた症状。自分だけができない母親、ダメな母親だと思わないこと。尿漏れや便漏れ、脱腸脱肛、子宮脱なども現代人には意外と多い症状です。プライベートサロンだからこそ、人には聞かれたくない悩みも話しやすい場にしていきたい。誰にも相談できない悩みを抱え込む人が1人でもいなくなるように」

 人生経験豊富な塔筋さんだからこそ、腸のケアを通して見た目だけでなく心身ともに健康になれる空間作りを目指している。

(Hint-Pot編集部・佐藤 佑輔)