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「キュウリに栄養なし」は本当か? 暑い季節に“効く”理由とは むくみ解消にも一役

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

みずみずしいキュウリ(写真はイメージ)【写真:写真AC】
みずみずしいキュウリ(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 キュウリは栽培方法の進歩で通年出回りますが、旬は初夏から。みずみずしく、風味はさわやかで、暑い季節に食べると体を冷やしてくれます。食べる前に板ずりをすると色が鮮やかに。表面のイボが取れてなめらかになり、えぐみも消えておいしくいただけます。また、ヘタの部分から2つに切り分け、その切り口同士をくるくるとこすり合わせるとアクが取れるという話も。ほとんどが水分といわれるキュウリの栄養について、栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

ウリ科の代表的な野菜 食べているのは未熟な果実

 キュウリはウリ科の代表的な野菜で、私たちが普段食べているのは未熟なうちに収穫されたものになります。日本では奈良時代に「黄瓜」としてすでに伝来していたとの見方も。苦味がありあまり好んで食べられていなかった野菜ですが、江戸時代の後期に「熱を冷まして利尿作用がある」として注目されるようになりました。

 現在は品種改良され、苦味がなく鮮やかな緑色でみずみずしいものが主流になりました。さまざまな品種がありますが、色ツヤが良く、太さが均一で、持った時に重みがあるものを選ぶと良いでしょう。イボのある品種の場合は、イボがとがっていることが新鮮な証拠。また、少し曲がっていても味に変わりはありません。

 乾燥と低温が苦手なので、早めに食べ切るのが基本です。冷蔵庫の野菜室に保存する場合は、キッチンペーパーなどに包んでから袋に入れて保存する方が良いでしょう。スペースがあれば、立てて保存するとおいしさをキープできます。

キュウリはほとんどが水分 比較的多く含まれているのはカリウム

キュウリの歯触りや香味も食欲増進に(写真はイメージ)【写真:写真AC】
キュウリの歯触りや香味も食欲増進に(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 キュウリはおよそ96%が水分で、エネルギーは100グラムあたり13キロカロリー。「世界で最もエネルギーが少ない果実(Least calorific fruit)」としてギネス世界記録に登録されているほどです。したがって「栄養がない」というイメージを持たれやすいのですが、そうとも言い切れません。

 栄養価が高い食材ではありませんが、その歯触りや香味、色などは食欲を増進させるといわれています。比較的多く含まれているのはカリウムです。水分補給もできて、体内の余分な水分や塩分の排出を促す効果が期待できるカリウムを含むキュウリは、湿度が高くむくみやすい暑い季節にはぴったりの食材です。この他にもビタミンCとK、食物繊維なども含まれています。

 カロリーが低いので減量には向いていますが、キュウリだけ食べ続けるのはバランスの良い食事といえません。炒めてもおいしい食材なので、加熱する料理に活用してみてはいかがでしょうか。体を冷やす食材ですから、冷えが気になる人も、炒め物やスープの具材などとして火を通し、温かくして食べると良いでしょう。

 例えば、いつもの肉野菜炒めにキュウリをプラス。タンパク質やビタミンB1を含み夏バテや疲労回復の効果が期待できる豚肉、夏野菜の赤色パプリカとの組み合わせなら、抗酸化ビタミンエース(ACE)も摂ることができます。キュウリの緑色との彩りも良く食欲が増し、シャキシャキの食感をおいしく楽しめるでしょう。

 昔ながらのぬか漬けも、汗をかくこの時期に適度な塩分とカリウム、夏バテ解消に期待できるビタミンB1が摂れるのでおすすめです。水溶性のビタミンB1を多く含む米ぬかに漬けることで栄養が浸み込み、おいしく摂取できます。

 キュウリがたくさん手に入った場合は、ピクルスにすると比較的日持ちがします。酢には疲労回復効果が期待できるクエン酸が含まれているので、暑い季節にぴったりです。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾

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