からだ・美容
ビーチサンダルの街履きは30分が限度 整形外科医が教える気をつけた方が良い人とは
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教えてくれた人:南雲 吉祥
長時間の着用後はアイシングとマッサージを
健康な人でも、慢性化すると足裏だけでなくふくらはぎや太もも、腰など、体を支える他の部位に負担がかかり、足裏以外に痛みが出ることも。また、鼻緒がすれて、指の間に傷ができると感染症につながる場合があります。
「歩き続ける場合は、長くても30分程度が限界と考えます。駅や坂道など、起伏の多い場所を通る際は、ご自身で思っている以上に足に負担がかかるのでおすすめできません。人通りの多い場所では急な方向転換が必要になることも多く、その際は鼻緒が皮膚に食い込み傷を作る原因にもなります」
もしも、ビーチサンダルを長時間着用した場合には、足裏やふくらはぎを適度にアイシングして、マッサージで筋肉をゆるめましょう。保冷剤を直接皮膚に当てると凍傷の原因になるため、アイシングの際は必ずタオルなどを1枚挟んだ上から行うよう注意してください。
子どもの場合は土踏まずの形成が促進されるとの報告も
一方、成長期の子どもが日常的にビーチサンダルを履く場合、プラスに働く場合もあるようです。
南雲医師によると、あえて不安定なビーチサンダルを履くことで、土踏まずの形成が促進されることが。さらに、鼻緒を掴むことで足の筋肉が発達し、運動能力がアップするとの報告もあるそうです。
このことから、子どもにサンダルを履かせる場合、土踏まず形成を期待するのであれば鼻緒が付いたタイプが良いとのこと。足先を覆うので安全に見えるスリッパ式サンダルは、指の動きが制限されて思わぬ怪我につながる場合があるので注意が必要です。また、4歳頃まではかかとの支持力が弱いため、かかとがあるタイプの靴を選びましょう。
足元をおしゃれに飾れるビーチサンダルが増えている現在。痛みが出た場合には無理に履き続けず、しっかりとケアをすることが大切です。デザイン性だけでなく機能性にも注目し、自分の足に合ったサンダルで楽しい夏を過ごしましょう。
(Hint-Pot編集部)
南雲 吉祥(なぐも・よしあき)
整形外科専門医。医学博士。整形外科領域のがん治療医として活動。米国では再生医療の研究に従事する。趣味は総合格闘技。自身のけがの経験をいかし、現在はスポーツ整形外科医として、アスリートへのサポート活動を行っている。2023年6月、東京都港区白金台に整形外科と再生医療の専門クリニック「NAG整形外科」を開業。