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ウナギの食べすぎがNGの理由とは 夏バテ予防の栄養素は豊富でも思わぬ“落とし穴”が
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教えてくれた人:和漢 歩実
今夏の「土用の丑の日」は7月23日と8月4日。この日に食べるものといえば、ウナギです。昔から暑さで夏バテをする人が多くいた時期のため、栄養たっぷりのウナギが定番の食材になりました。日本では今もスタミナ食として親しまれていますが、栄養豊富だからこそ実は食べすぎると体に良くないことも? 栄養士の和漢歩実さんにお話を伺いました。
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「土用の丑の日」の定番 夏バテ予防に向く栄養とは
近年は価格高騰が続いているウナギ。海洋環境の変化や乱獲などの影響で、養殖ウナギの稚魚(シラスウナギ)が獲れないそうです。そのため高額な魚になっていますが、古くから日本人に親しまれ、奈良時代の末期に成立したとされる「万葉集」にも夏痩せに良いとしてウナギを薦める歌があります。
ウナギの旬は本来、天然ものに脂がのってくる初秋から冬です。このため、蘭学者の平賀源内発案説もある“土用の丑の日にウナギ”の風習が広まる江戸時代半ばまで、夏のウナギはあまり注目されませんでした。
現在は流通量のほとんどが養殖です。夏の「土用の丑の日」に多く消費されるので、夏に向けて準備されることが多くなりました。
ウナギ(養殖)は、魚類なのでタンパク質と脂質を多く含みます。脂質には不飽和脂肪酸であるオメガ3脂肪酸のDHAやEPAがたっぷり含まれているので、脳の活性化や血液をサラサラにする効果が期待できるでしょう。
また糖質や脂質、タンパク質の代謝を促す補酵素ビタミンB1とB2、B6を含みます。特にビタミンB1には疲労回復効果があるので、夏バテ予防にも。暑い季節を元気に乗り切るスタミナ食として、ウナギは最適な食材といえるでしょう。