食
ウナギの食べすぎがNGの理由とは 夏バテ予防の栄養素は豊富でも思わぬ“落とし穴”が
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:和漢 歩実
食べすぎは注意が必要 ビタミンAの過剰症にも?
この他にもウナギの注目すべき栄養として、豊富に含まれているレチノールが挙げられます。レチノールとは動物性食品に含まれるビタミンAの一種です。皮膚や粘膜を丈夫にし、免疫力のアップや目の健康には欠かせないビタミンですが、レチノールで摂取する場合は摂りすぎに注意が必要です。
ビタミンB群やCなどの水溶性ビタミンは、摂りすぎると尿と一緒に排出されます。しかし、脂溶性のビタミンAは水に溶けにくく、体内に蓄積されやすいのです。ビタミンAの過剰症で起こり得る症状としては、頭痛や吐き気、脱毛などが指摘されています。
ビタミンAには植物性食品、特にニンジン、ホウレン草、カボチャなどの緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンもあります。しかし、こちらは必要時に体内でビタミンAに変換されるので、特に心配はいりません。
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、一般成人のビタミンA耐容上限量は1日あたり2700マイクログラムRAE(レチノール活性当量)です。ウナギのかば焼きは100グラムあたり1500マイクログラムで、かば焼き1人前の目安は80~100グラム。夏を乗り切るスタミナ食ですが、適量を楽しみたいですね。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾