ねこを飼っていると人間のような行動に気づく瞬間があります。例えばテレビをつけていると、じっと画面を見つめていることも。集中している様子から、「映っている内容を理解している？」と驚いてしまう人も多いでしょう。今回紹介するねこは、発売直後から話題のゲームに釘付け。見ているうちに、画面の中にいる仲間とおしゃべりを始めてしまいます。ツイッターで16万件もの“いいね”を集めた動画について、飼い主のらっこ（@39Racko）さんに詳しいお話を伺いました。

　◇　◇　◇

世界で話題のねこゲーム　主人公とそっくりなニールくん

　パソコンモニターの前にどっかりと座って、画面に映るねこを見つめているのは2歳の男の子「ニール」くん。飼い主さんによると、ニールくんはとにかく甘えん坊だそうです。また、ちょっぴり控えめで優しい性格でもあるとのこと。

　ニールくんが夢中になっているのは、7月19日に発売されたばかりのゲーム「Stray」。映画『ブレードランナー』シリーズを思わせるハードな世界観の中で、1匹のねこがドローンの助けを借りて家に戻ろうとする内容です。ねこが主人公というアイデアや美しいグラフィックなどで、制作が発表された数年前から世界の注目を集めていました。

　主人公のねこは薄い茶色に濃い茶色のラインが入った茶トラ。実はニールくん、このねこと外見がそっくりなのです。ニールくんがどのような反応をするのか楽しみにしていた飼い主さんは、購入後にさっそく“ご対面”してもらうことにしました。

「プレーしている同居人の横でニールを抱えて画面を見せたんです。最初はキョトンとしていましたが、しばらくすると自分から机の上に乗って、画面に釘付けになりました」

　話題になった動画は釘付けになっている時を収めたもの。ゲームは第三者視点で進むため、主人公のねこが画面に近づいてくると、プレーヤー側からは自分に寄ってきているように見えます。そこでニールくんは、真正面から近づいてくる主人公のねこをガン見。「ミャウ」と話しかけられると、数秒だけ何かを考えるように間を置いて「ミャウ！」と返事をして、画面に左前足を伸ばしました。

　飼い主さんはこの動画に「お返事キャット」というメッセージを添えてツイッターに投稿。すると、16万件もの“いいね”を集めました。

　リプライ（返信）には「こういうのを求めていた」「キュン死」「かわいすぎて今日の疲れ吹っ飛んだ」「尊くてにやにやする」「ねこのリモート会議（笑）」など、あまりのかわいらしさにメロメロになった人たちからの声が寄せられました。

　また「『Stray』はねこ用のゲームかもしれませんね」「海外ネコチャンと日本ネコチャンは言葉通じるのかしら」「これが巷で噂のねこゲー??」「ねこと一緒にやりたい」など、ゲームに注目する声も。さらに世界的にも話題のゲームだけあり、海外からの反応もたくさんありました。

　飼い主さんによると、ニールくんは主人公のねこを本物だと思っていた可能性が高いようです。

「画面を触ったり、他のねこがいるんじゃないかと裏側を確認したり、そわそわしていました（笑）。『外に出てきて一緒に遊ぼうよ』と言っているような感じでしたね」

名前を呼ぶと必ずお返事　ニールくんは普段からおしゃべり

　ゲームの中に“新しいお友達”ができたニールくん。飼い主さんとのご縁は、実のお姉さんがつないでくれました。

「初めは同居人がニールのお姉さんにあたるキジトラねこと暮らしていて、そこに私が後から家族にしてもらったんです。しかし、その子が諸事情で他のおうちに引き取られることになってしまい、お互い『今さらねこがいない生活なんて考えられない！』と、彼女のきょうだいであるニールを入れ替わりで里親さんから引き取りました」

　今回話題になったおしゃべりは、普段からよくしている行動だそう。ニールくんの場合は、どうやら甘えん坊な性格とリンクしているようです。

「成猫の割によく鳴く子で、普段からいっぱいおしゃべりしてくれます。目が合うとすぐに撫でてほしそうにお腹を見せるし、名前を呼ぶと必ず『ニャー』とお返事してくれます」

　しかし実は、普段のニールくんは画面に無関心なのだとか。そこで反応するのはやはり、“仲間”が映っている時です。

「普段は無関心ですが、ねこや小動物が画面に映ると観察しにきます。ネコ科の動物を特集した動物番組を観ていた時は、画面の中のカラカルを捕まえようとしてモニターにねこパンチしていました（笑）」

　ちなみに飼い主さんは、「Stray」を「めちゃくちゃいいゲームです」と絶賛。これからも同居人さんともどもプレイに励めば、ニールくんが“新しいお友達”と仲良くなれる機会も増えそうです。ただし、主人公のねこが危険な目に遭ったり敵から攻撃されたりするヒヤリシーンもあるので、今度公開されるニールくんの姿はハラハラドキドキしている様子かも？

（Hint-Pot編集部）