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タワマンの共用施設を「無料で貸して」 ママ友からの要求に困惑 正しい対処法とは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:姉帯 裕樹

共用施設であるパーティールームの使用がトラブルの原因に…(写真はイメージ)【写真:写真AC】
共用施設であるパーティールームの使用がトラブルの原因に…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

「お前のものは俺のもの、俺のものも俺のもの」……国民的人気漫画「ドラえもん」の登場人物、ジャイアンの有名なセリフです。しかし、こうした感覚の持ち主はどこにでも存在するのかもしれません。今回ご紹介するのは、関西のタワーマンションにお住まいのマダムが経験した知人とのトラブル。そのきっかけはタワマンが売りにしている豪華な共用施設でした。不動産のプロ、「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんによるアドバイスとともにお届けします。

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トラブルの発端は子どもの誕生日会 LINEやメールで“お願い”殺到

 坂下香音さん(仮名・36歳)が関西某所のタワマンに入居したのは2年ほど前。入居を決めた最大の理由は、マンション内の共用施設が整っていることでした。

 常駐のコンシェルジュはもちろん、スポーツジムやパーティールーム、カラオケまであり、「ここでなら楽しい生活が送れるに違いない!」と感じた香音さん。自身と配偶者さんの両親からそれぞれ援助を受けて頭金を作り、配偶者さんが学生時代に投資で増やした貯金もプラスして購入しました。

「今年はタワマン内のパーティールームを借りて、小学校に通う息子の誕生日パーティーを開いたんですよ。ちょうどコロナ禍が収まっていた時期だったので、学校のお友達や幼なじみを呼んで。大型量販店で買ったパーティーグッズで飾り付けをしたり、ピザ半額デーだったのでここぞとばかりに大量注文したりして、大いに盛り上がりました。

 でも、大変なのはそこから。まあもう笑えるほど多くの人から『あの部屋、貸してくれへん?』って、電話やLINE、メールで連絡があるんです。『いや、無理やし。住人以外は使えへんし』ときっぱり断っているのですが……それでも諦めてくれなくて……」

 例えば、3日と経たずにLINEで「あんたが損するわけじゃないんだし、ちょっと貸してくれるくらいいいでしょ?」と繰り返すママ。また、メールでしつこく「うちの息子があの部屋を気に入って、毎日のようにあそこで誕生日会やりたいって泣いてる」と、謎の泣き落とし作戦に出るママもいるのだとか。

 香音さんは連絡がある度に、口が酸っぱくなるほど「住人以外には貸し出せない規則になっているから無理」と毅然とした態度で断っていました。しかし、相手の脳内は“ジャイアン状態”になっているのか、「タダで使える便利な場所をなぜ諦めなければばならないのか?」とばかりに攻撃を強めてきます。

 そうしたママたちとのやりとりに疲れてきた香音さんは、グループLINEを抜けて、メールアドレスを変更。そこでどうにか落ち着いたと思ったのもつかの間、自宅電話への“口撃”が増えたため、ついに電話番号も変更してようやく静かな日常を取り戻したそうです。