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犬の飼育には年間いくらかかる? 初めてお迎えする前に知っておくべきこと
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:稲垣 芳人
初めての子犬を迎えるのにブリーダーさんをおすすめする理由
実際に犬をお迎えする際、ペットショップやブリーダー、保護団体などの施設から引き取る方が多いでしょう。初めて子犬をお迎えするのであれば、私個人はブリーダーさんからのお迎えをおすすめします。
ペットショップによってはスタッフの知識量にばらつきがある一方、ブリーダーさんは犬種の特性を熟知している場合が多く、親同士の病歴や性格なども把握しています。そのため、子犬が将来どのような性格になるか、どんな病気になりやすいかなどを教えてもらうことができるでしょう。
また、理想としては1か所で決めず、さまざまな犬舎を回ってそれぞれの代表とお話をしましょう。一度で100%ぴったり合う子と出会うのは難しいですし、インターネットや電話で得る情報以外にも、実際に顔を合わせて分かることがたくさんあるからです。
回っているうちに、気になっていた子が先約されてしまうかもしれないと焦る気持ちも分かります。しかし、もし他のおうちに決まってしまったら「ご縁がなかった」ということ。「命をもらってくる」のだということをしっかりと受け止め、一晩は時間をおいた方が良いと考えます。お迎えしてしまうと中止はできないのですから。
ケース別のおすすめ犬種とは
僕は犬の訓練士コースがある専門学校や、卒業後に9年間従事したドッグスクールなどで、たくさんの犬種とふれあってきました。その経験からおすすめの犬種をご紹介します。僕個人の意見ですが、参考にしていただけたらと思います。
○小さいお子さんがいる場合
小型犬のミニチュアダックスフンドはおっとりしている子が多いのでおすすめです。もちろん個体差があり気が強い子もいるので、お迎えの際は両親の性格をよく聞いてみてください。
また、テンションの高い子が多いトイプードルも良いでしょう。お子さんの遊び相手になってくれると思います。ただし、頭が良いのでしっかりとしたしつけが必要です。
○パートナーと二人暮らしの場合
チワワは勇敢で気の強い子が多いため、小さいお子さんと暮らすのは難しい場合があります。けれど、パートナーと2人で暮らすご家庭なら、その高い忠誠心と深い愛情でメロメロになることでしょう。とはいえ、警戒心が強く、無駄吠えがクセになりやすいのでしつけは大切です。
○犬の飼育経験があり、訓練やしつけを楽しみたい場合
ミニチュアシュナウザーは小型犬ですが、しっかりと訓練できる方に向いた犬種だと思います。毎日の散歩がしっかりできることも大切です。また、ボーダーコリーやフラットコーテッドレトリーバーもとても頭が良く、訓練のしがいがあります。それと僕自身もそうですが、シェパードは経験するとどっぷりハマってしまう人が多いですね。
希望している犬種が自身の生活環境に向いているのか、どんな準備をしておけばいいのか分からないという人もいるでしょう。特に初めて犬を飼う場合、獣医師など動物に携わる仕事をしている人が知り合いにいないという人も多いはず。そういった時も、訓練士や訓練所に電話で相談しても大丈夫です。
心理的なハードルは少し高いかもしれませんが、ウェブサイトに「子犬の相談OK」など明記している訓練所だと特に話がスムーズでしょう。僕のドッグスクールでも子犬の相談は随時受け付けしています。
今はインターネットなどのおかげで、訓練士を探すことが簡単になりました。しかし、すぐに依頼するのではなく必ず検討のために一度連絡をして、訓練士がどのような人なのかをしっかり把握し、飼い主さんから見て信用できる人かを判断してほしいと思います。
(Hint-Pot編集部)
稲垣 芳人(いながき・よしと)
公益社団法人 日本シェパード犬登録協会の公認訓練士二級。2007年から2016年にかけてドックスクールで犬種問わず訓練繁殖を学ぶ。2017年、「Hundeschule Inagaki(フンデシューレ・イナガキ)」を開業。出張訓練を中心に、犬との関係の作り方を教えている。