からだ・美容
乳がん手術直前に勇気をもらえた数分間 前日と当日はどんな流れ? 経験者が語る実際
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日本人女性が人生で乳がんに罹患する確率は9人に1人とされています。38歳の島田みゆさんは、今年2月に乳がんが突然判明。3月末には右胸の全摘手術を受けました。現在は化学療法中の島田さんによると、手術当日はやはりいろいろと考え、緊張状態になるようです。同世代の女性に乳がんのことを知ってほしいという思いで、島田さんが実体験を綴るこの連載。第14回は乳がん手術の前日から当日までについてです。
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手術当日は1日絶食 前夜に食べたウナギのかば焼きは“特別な味”
バタバタの中、何とか無事に入院した手術前日。この日は特に処置などもなく、明日の手術についてと注意事項の説明のみでした。
手術開始予定は昼の12時。ただし前の手術が終わり次第オンコール(呼び出し)がかかるので、11時頃からはいつでも行けるように待機とのことでした。前日の夜0時から絶食、当日は朝5時から飲水不可。コンタクトレンズ、ネイル、お化粧は禁止です。
また、手術当日は1日絶食。前日の夕食メニューは、精をつけなさいと言わんばかりにウナギのかば焼きでした。「手術は絶対にうまくいく、大丈夫」、もちろんそれだけ考えていましたが、やはり手術は手術。不安がないと言えば嘘になるし、やはり万が一ということだってあり得ます。
“最後の晩餐”的に食べたいものはありましたが「ウナギもなかなか豪華かな」と、あの味を特別なものとして覚えています。
「万が一」を考えた“伝言”は残しておいた方が良い
また、手術前日の夜に一つ準備したものがあります。それは万が一の時のための=遺書的なものです。遺書というと大げさですが、いわゆるエンディングノート。現実問題として、本人がいなくなった状態で手続きをするのは、本当に手間がかかります。
私は母とかなり仲が良かったこともあり、母が普段付き合っている友人やたまにしか連絡しないけれど大切な古くからの友人を把握していました。また、契約している保険や金融機関、治療方針や延命治療についての意思、葬儀やお墓に至るまで、いろいろな話も聞いていました。そのため、母が亡くなった時は誰に連絡すべきか、何の手続きをすべきか、おおよその検討はついていましたが、それでも聞きたいことや分からないことは何かと出てきたものです。
今の私の状況だと、何かあった時にそうした手続きをするのは兄です。ですが、お互いに普段の友人関係を詳しく把握していませんし、手続きが必要な保険や金融関係のことも事細かには知りません。そこで、何かあった時に連絡してほしい友人リスト、クライアントや担当者名、契約している保険や金融機関、持っているクレジットカードなど、簡単なことだけをざっとまとめておきました。
今回、これが活用されることはありませんでした。しかし、今はあらゆるものがネット上にある時代。契約しているサブスクリプション、SNS上でしかつながっていない人、パスワード関係など、書面に残っておらず本人にしか分からないものがとても多くあります。
またメールアドレスも複数あり、それぞれに登録や課金しているものなどがあると、本人以外が何か手続きするのはかなり複雑です。年齢や状況に関係なく、何かあった時に備えて家族に分かるよう、こうした情報やデータをしっかりと残しておくべきだと感じました。