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16年間行方不明だった愛猫と再会 決め手は保護主が発見したマイクロチップ
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犬や猫が迷子や災害、盗難などで飼い主と離れてしまった時、飼い主の情報と照合することができるマイクロチップ。日本では動物愛護法の改正により、今年の6月1日からブリーダーやペットショップなどで販売される犬と猫に装着が義務化されました。マイクロチップからリーダーで番号を読み取り、飼い主の情報と照合することで、飼い主の元へ返還できる可能性が高まります。このマイクロチップのおかげで、米国では16年間行方知れずだった愛猫と再会できたというニュースも。感動の輪が広がっています。
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愛猫のリッツくんが部屋から脱走 手がかりを探すも見つからず
失踪した灰色のブチ猫と16年の歳月を経て再会。米国で飼い主の感動ストーリーが話題を呼んでいます。
これを報じたのは米地方紙「デラウェア・ニュースジャーナル」です。記事によると、猫の「リッツ」くんは2歳だった16年前の2006年6月14日、飼い主のジェイソン・マッキーニーさんと暮らすデラウェア州ベア地区のアパートから逃亡。ジェイソンさんが出張中にルームメイトが自宅の扉を開けた際、リッツくんは飛び出してそのまま行方をくらましてしまったそうです。
ジェイソンさんは2年間生活をともにしていた相棒を探すために、しばらく近隣を捜索。「ピックアップトラックから飛び降りたリッツくんの姿を見た」という証言を得たため、その地域にチラシを配り、動物保護シェルターを頻繁にチェックしていました。
そしてジェイソンさんはほどなく、リッツくんの親友猫「ベイリー」くんの飼い主であるリズさんと結婚。11年前にはメリーランド州アナポリスに転居しました。
それからの夫妻には、ベイリーくんともう1匹の猫が世を去るという悲しみも。リズさんは「(失踪当時のリッツくんが)最初の数か月を生き延びていたとしても、きっと今では亡くなっているだろうとばかり思っていた」と語っています。
保護した人が埋め込まれたマイクロチップを発見
今から2年ほど前、デラウェア州ラムズ・ポンド近くの住宅街に暮らすエミリー・ラッセルさんは、自宅近くに集まっていた猫たちにごはんを与え始めました。
そこにいた人気アニメ「トムとジェリー」の主人公に似た灰色のブチ猫は、エミリーさんに撫でることを許した唯一の猫だったそうです。「彼はあまりにかわいらしくて純粋」と感じたエミリーさんは、その猫をトムと名付けました。しかしある日、トムは大怪我をした状態で現れます。
「車に轢かれたようでした。前足の怪我がとてもひどくて、歩けない様子でした」とエミリーさんは当時を振り返ります。そこで父親とともに動物病院に連れて行くと、トムがマイクロチップを装着していることが分かりました。
そして、記録されていた番号からリッツくんであることが判明。ジェイソンさんの元には、携帯電話のSMSでリッツくんの発見と動物病院などの電話番号が伝えられたのです。
保護主から連絡を受け飼い主は感動
ジェイソンさんからそれを聞いたリズさんは、信じられない思いで動物病院に電話をしました。通話でリッツくんであることが確定すると、1時間も感涙が止まらなかったそうです。
そうして、16年ぶりに奇跡の再会を果たしたジェイソンさん夫妻とリッツくん。記事ではリッツくんがトラックに乗った時から動物病院でエミリーさんの元に現れるまで、「不在の間のすべてはミステリーです」と伝えています。
「彼が話せるといいのに。彼の物語を聞きたいんだ」とジェイソンさんは16年ぶりの再会を喜んでいるようです。また、リッツくんが装着しているマイクロチップのデータベースシステム企業もこれにはびっくり。社長のトム・シャープ氏は「16年? 私の知る限り、これは新記録です」と語っています。
さらに読者も奇跡の再会に反応。「最高のハッピーエンディングに涙が止まらない」「何て素晴らしいストーリー」「リッツが家族と再会できて良かった。ハッピーエンディングは大好き」「何てスイートなの」と感動の輪が広がっています。
(Hint-Pot編集部)