漫画
バスでベビーカーに罵声事件 もし周囲がこう動けば…を描く漫画に大反響「とても良い」
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もし被害に遭ったら? 「アクティブバイスタンダー」と「5D」とは
志水さんは、自身が漫画のような状況に遭遇した場合には、「アクティブバイスタンダー」そして「5D」と呼ばれる行動をとりたいと話しています。
【「アクティブバイスタンダー」とは?】
さまざまな暴力や差別が起きた時に看過せず、積極的に止めようと動く第三者を指す。または、居合わせた第三者が状況に応じてアクションを促す考え方のこと。
【「5D」とは?】
アクティブバイスタンダーが介入できる5つの方法を示す言葉(危険が伴う場合もあるので、自分自身の安全が確保できるかを確認してから行動に移してください)。
・Distract:加害者の注意をそらす
・Delegate:第三者に助けを求める
・Document:証拠を残す
・Delay:後で声かけなどの対応をする
・Direct:直接介入する
「私が遭遇したら、まずは犯人にバレないようにしながら、周囲の人に協力を求めると思います。写真で記録する人と被害者を保護する人、通報する人で最低3人は必要です。1人だと勇気がいりますが、逆に1人じゃなければみんな動きやすいのではないでしょうか。いざという時に旗揚げ役になれるよう、筆談用のメモ帳を持ち歩くことを心がけています」
「行動ができたら、自分のこと、社会のこと、ちょっと好きになれる」
志水さんは投稿後に寄せられた感想を一つひとつ読みました。その中で「いじめでも『間に入ったら標的にされるかも』って思っている奴らが集まれば数の差で勝てる」というリプライには、「まったくその通りだ」と感じたそう。
また、実際の事件ではその後、ツイートした被害女性が警察に届け出たことも報告しましたが、ベビーカーが破損していないため器物損壊にあたらず、また体を傷付けられたわけではないため暴行ではないという見解だったとか。「その場で110番」を促されたともあり、志水さんには対応についての疑問も残ったそうです。
「今回、漫画に描いたような行動ができたら、自分のことも、社会のことも、ちょっと好きになれるんじゃないでしょうか? いざという時、恐怖に打ち勝ち行動できますように……という自分への願望だったりもします」
志水さんは、痴漢抑止バッジでおなじみの一般社団法人痴漢抑止活動センターでプロボノ(専門スキルを生かしたボランティア活動)も行っています。センターでは今年、オンラインイベント「痴漢ゼロを目指すしゃべり場」も開催中です。
「第2回『通報を拒むもの』では、講師を務めた警察官僚が『痴漢や暴力を見かけたら即110番してOK』というお話をしてくださいました。その場で通報できなくても、後から犯人の特徴を通報しておくと積み重なって逮捕につながると、目からウロコな話も飛び出します。ぜひ見てください」
漫画家を目指して勉強中のため、「これからも気軽に感想などコメントをいただけるとうれしい」と語る志水さん。作品を通して、目をそらしてはいけない問題について考えるきっかけをこれからも発信していきます。
(Hint-Pot編集部)