からだ・美容
乳がんで胸の全摘手術 所要時間と実際の流れは? リンパ節への転移有無は術中に確定
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今年2月に38歳で乳がんが判明したライターの島田みゆさん。3月末に右胸の全摘手術を受け、現在は薬物療法中です。「世の女性に乳がんのことを知ってほしい」との思いでこの連載を始め、さまざまな実体験を綴っています。今回は前回に続き右胸の全摘手術を受けた当日について。叔母との短い面会で勇気をもらった後、いよいよ手術室に入ります。リンパ節への転移が実際にあったかどうかは、手術後に知るそうです。(監修:みやびクリニック院長 日本乳癌学会乳腺認定医 矢加部文医師 ※本記事は調べた情報や担当医の話などを基に筆者が執筆した内容を、専門医が改めて監修したものです)
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手術室前、ドキドキの待機時間
手術室ゾーンの扉前で叔母と別れて、いよいよ中へ。入口の受付前で待機していると、主治医、麻酔科医、オペ室の看護師さんなど、いろんな人がやってきて声をかけてくれます。
もうこの人たちに託すしかないという気持ちです。どうやらこの時も緊張がピークだったようで「ちょっと顔色悪いですけど……緊張してますよね。大丈夫ですよ」と心配される始末。体調的には問題はないし、落ち着いているつもりでしたが、どうやら表情には不安が大きく表れていたようです。
手術は「右乳房全摘出手術」。名前とともににあらゆるタイミングで「右側ですね」と、何度も確認されました。当たり前ですが、右か左か、全摘か部分か、これ間違えたら大変なことだな……と。本当に合っているのか、私までドキドキしてしまいました。
術中に行う「センチネルリンパ節生検」
術中には「センチネルリンパ節生検」を行います。これは、脇の下のリンパ節を取るか取らないかの必要性を調べるため手術中に行う検査です。
乳がんは転移する際、乳房に一番近い脇の下のリンパ節(腋下リンパ)から起こることが多いとされています。そのため、脇の下のリンパ節の一部を切って術中に転移の有無を調べ、もし転移があればリンパ節は切除する「腋窩リンパ節郭清(えきかりんぱかくせい)」を行い、転移がなければ残すのです。
術前の検査によるとリンパ節への転移はありませんでしたが、あくまでも外からのもの。より精密なのは術中の検査です。そのため、脇の下のリンパ節を取ったか取らなかったかについて、私は術後に目覚めて初めて知ることになります。これももう神のみぞ知る、結果にゆだねるしかありません。