からだ・美容
乳がんで右胸全摘 術後の入院中は何をする? 大部屋ならではの「眠れない問題」も
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「薄味に慣れておく」が、病院食を楽しむポイント
入院中、ドラマに加えてもう一つの楽しみは食事。特に食事がおいしいと評判の病院でもなく、こだわったものが出ていたわけではありません。ですが、入院期間中は時間になる度にお腹が空いて待ち遠しく、毎食大満足でした。
病院の食事がおいしかったというのは意外かもしれません。実は、病気が分かってから日々の食事に気をつけるようになり、外食はほとんどなく自炊が増え、だいぶ薄味志向になっていました。今考えれば、それが影響していたのかと思っています。
「入院前はできる範囲で減塩・野菜中心・ボリューム控えめの食生活に慣れておくといい」。これは病院での食事を楽しむためのちょっとしたアドバイスです。
大部屋ならではのストレスも何とか解決
食事はおいしくドラマは観放題なんて、快適な入院生活……と言いたいところですが、残念ながら1つ難ありでした。
それは、大部屋ならではの「眠れない」問題。私は6人部屋での入院、当然あらかじめ了承・覚悟した上での選択です。耳栓もバッチリ用意していきました。
ただ少々運が悪く、隣の方が毎晩、消灯後数時間すると看護師さんを呼び、治療方針や入院生活の不満を話し始めるのです。いびきや生活音、治療に関わる音などは想定内ですが、さすがに隣で毎晩同じ話を1週間聞くのはつらい……(笑)。耳栓をしても気になってしまいます。
ダメ元で相談してみたところ、幸い一番離れたベッドの方が翌日退院されることになったので、そこに移動することができました。入院後半は何とか眠りも確保できて乗り切りましたが、本当にどうしてもという時は、やはり個室を選ぶしかないと思います。これもいい教訓です。
1週間後に退院 その日に一番痛みを感じた理由とは
火曜に入院して、翌週の火曜に退院。過ぎてしまえばあっという間です。窓口で支払う入院費は、事前に限度額認定証を提出していたので月額の満額料のみ。やはり事前の申請を出しておく方が、一時的な負担や後々の手間がなく便利でした。
そして意外にもこの日が一番痛みを感じました。恐らく、退院準備で荷物をまとめる、手続きに行くなど、動くことが一番多かったからではないかと思います。術後はまだ変化に気づいていなかった体が徐々に気づき始めた、神経が回復してきて痛みを感じ始めた……あくまでも私の感覚ですが、そんなイメージです。
コロナ禍で面会NGということもあり、1人で好きなことをして、穏やかにゆったりとした時間が過ぎていた入院生活。友人とのやりとりは、ビデオ通話や電話を何度かした程度でした。
お見舞いに来てもらっていたら、それはそれでうれしいけれど、療養という意味ではこれが本来の姿なのかもしれない……。今はそんな風に思っています。
(島田 みゆ)
島田 みゆ(しまだ・みゆ)
1983年生まれ。社会人教育関係の会社で企画編集として11年勤めたのち、旅や食分野のライター、ヨガ講師、海外ツアーコンダクターの複業フリーランスに。コロナ禍で旅行の仕事が休業状態になり、好きな旅行ができないのであればと2022年からの海外生活を見据えていた矢先、38歳で乳がんが判明。3月に右胸全摘出手術を終え、現在も治療を続けながら、自身の経験を踏まえて多くの女性の心と体を健康に役立つ発信・活動をしたいと考えている。
ツイッター:@myuu_works
note:島田みゆ | 取材ライター×ヨガ講師×海外ツアコン