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猫はなぜ高く跳べる? 筋肉や肉球クッションに秘密あり
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猫の身体能力でひときわ目を引くものといえば、非常に高いジャンプ力でしょう。個体差はありますが、飛べる高さは一般的に体長の約5倍といわれています。一体なぜそんなにも高く飛べるのか、理由を知りたいと思うのは万国共通。米メディアによると、その秘密は起源とされているリビアヤマネコの習性や肉球になどに隠されているようです。
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イエネコの起源はリビアヤマネコ
キャットタワーの上部やタンスの上にピョンと跳ねて、その上でのんびりとくつろいでいる猫。猫と暮らしている人にとってはおなじみの光景だけに、そのジャンプ力にも慣れてしまうかもしれませんね。
でもよく考えてみると、自分の体高よりも高い位置に飛び上がり、しかもほとんどの場合で助走をしません。一体なぜこんなに高く飛べるのか、またその理由とは? 誰もが思う疑問について、米メディア「デイリー・ポー」は「猫はどこまで高く跳べるのか? 正直言ってかなり信じられないほどです!」というタイトルで解説しています。
記事に登場するのは、猫のDNA検査ブランド「Basepaws」社のロウウィン・C・ローズさん。サイエンスコミュニケーションの専門家であるローズさんによると、現在ペットとして飼育されている猫(イエネコ)は、北アフリカなどで木に生息しているヤマネコの一種、リビアヤマネコ(アフリカヤマネコ)が起源だそうです。
このリビアヤマネコはもちろん野生。そのため「安全や警戒、休養の目的で高所に素早くジャンプする必要がある。また、ジャンプとひねり、ターンの能力も、獲物の捕捉または回避するために要するもの」だと説明しています。
筋肉だけでなく肉球も高く跳ぶためのポイント
どうやら、理由の一つは“野生としての習性”のようですが、加えて現在のイエネコはヤマネコと同じ解剖学的特徴を多く持っているそう。猫の体は500以上の筋肉で形成されており、ジャンプの際にはすべての筋肉を使用します。強くて長い後ろ足によるジャンプとそれに素早く反応する筋繊維のコンビネーション、着地の際の衝撃吸収に大きな役割を果たす後ろ足の角度などにも重要な役割があるそうです。
そうした特徴の中でも見逃せないのが、熱烈なファンも多い“肉球”。実は数多くの神経受容体が集まっている部位のため、何と“ジャンプするために最適な場所”が分かってしまうのだとか。
健康な成猫は2メートル以上高く跳ぶことが可能
では、猫が実際にジャンプできる高さはどの程度でしょうか。記事では、健康な成猫なら体長の5倍から6倍とされています。ちなみに、ギネス記録は2018年に米国の飼い猫が達成した213.36センチメートルです。
また、家の中で高い場所に飛び乗るのを止めてもらうにはどうすればいいのか? 英国で動物に医療などを提供する慈善団体「PDSA」の公式サイトによると、やはり根気良くしつけることが必要だそう。
もちろん、怒鳴ったり叩いたりすることは厳禁で、その場所に物を置いて物理的にブロックする、飼い主とのコミュニケーションやおもちゃなど別のことに関心を向けるなどの方法が挙げられています。
(Hint-Pot編集部)