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「早く別荘買いなさい」 災害時の“リスクヘッジ”でマウント合戦 タワマンマダムの悩み
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教えてくれた人:姉帯 裕樹
別荘やリゾートマンションは、リスクヘッジとして有効?
「地震大国」と呼ばれる日本では、首都直下地震や南海トラフ巨大地震といった複数の大地震に対する警戒と備えが呼びかけられています。首都直下型地震へのリスクヘッジとして、本社機能を東京外に移転させる企業が増えているという報道もよく目にするでしょう。
そこで「別荘やリゾートマンションを」と考える人が増えるのも無理はない気もしますが、それらはリスクヘッジとして本当に有効なのでしょうか?
「リスクヘッジという意味では確かにセカンドハウスは有効だと思います」と語るのは、ニーズに沿った物件を扱う不動産のプロ、中目黒「コレカライフ不動産」の姉帯裕樹さんです。
しかし、災害時の移動手段を考えると疑問点はあると続けます。
「いざ災害が起こった時、タワーマンションの駐車場から車を出せるのか、都市部から地方に向かう道路を使用できるのか、たとえ車で出発できてもすべての信号が正常に機能している可能性が低い中、安全に走行することが可能なのか……など、多数の疑問が残りますね」
避難先としてのセカンドハウス 手頃な価格で買えるエリアも
リスクヘッジとは関係なく、セカンドハウスを持つこと自体はおすすめなのだそう。
「今時の感覚で持つなら、電車でアクセス可能なエリアが良いのではないでしょうか。熱海(静岡県)や富津(千葉県)など都内から1時間程度で、しかも有名別荘地になっていないエリアは手頃な価格で購入できます。気軽に遊びに行ける場所として所有しておくのもいいでしょう」
セカンドハウスでのリスクヘッジも良いですが、まずは3日分の食料や水、簡易トイレといった防災グッズの準備など、ごく当たり前の基本対策の方が優先度は高く、より現実的なリスクヘッジになるともいえるでしょう。
(和栗 恵)
姉帯 裕樹(あねたい・ひろき)
「株式会社ジュネクス」代表取締役。宅地建物取引士の資格を持ち、不動産取り扱い経験は20年以上を数える。独立した現在は目黒区中目黒で不動産の賃貸、売買、管理を扱う「コレカライフ不動産」として営業中。趣味はおいしいラーメンの食べ歩き。