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自閉症の少年が明るい性格に 支えたのはラブラドールレトリーバー 感動の絆が話題に
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日本には、盲導犬や介助犬、聴導犬といった補助犬がいますが、米国では他にもさまざまな障害をサポートする犬たちが活躍しています。自閉症や全盲のため、最初は人に噛みついてコミュニケーションを取ることもままならなかった、ある1人の少年。しかし、里親の愛と、1匹の補助犬との出会いで、今では元気いっぱいに毎日遊び回っているそう。その感動の絆に米国で注目が集まっています。
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さまざまな病気と闘うジュニーくん
全盲の5歳男児と、彼を支えるラブラドールレトリーバーの絆が米国で話題を集めています。米雑誌「ピープル」によると、男の子の名前はジュニーくん。中隔視神経形成異常症という病気で、汎下垂体症という疾患を患い視力も失いました。また、自閉症の症状もあります。
ジュニーくんのお母さんであるデスティニー・ファスケッティさんは、実は里親。以前は米陸軍に勤務していました。しかし、健康上の理由で2年前、22歳の若さで除隊。若い頃から子どもを育てたいと憧れを抱いていたファスケッティさんは、子育てにパーフェクトな環境になったことを機に、養子を迎え入れることを決めました。
「私にとっては常に重要な問題でした。そうです。養子を引き取って母親になるということでした」
その後、ファスケッティさんはテキサス州の施設から連絡を受け、ジュニーくんと出会いました。ジュニーくんが病気のためさまざまな症状に苦しんでいることは、事前に聞いていたそうです。それでもファスケッティさんは諦めず、自らケアをできるように訓練し、判事から養子として受け入れることを認めてもらいました。
大きな愛に包まれジュニーくんは成長
ファスケッティさんがジュニーくんを預かり始めた当初、発達はだいぶ遅れていたそう。ジュニーくんは誰かが近づくと噛みついてしまうため、誰も近づくことができず、会話もできないためコミュニケーション能力が欠如していました。さらに歩くこともハイハイも難しいという状況。それでもファスケッティさんは決して諦めませんでした。
「子どもたちと愛の力を過小評価してはいけません。養子と聞くとネガティブな印象を抱きがちですか、子どもたちにチャンスを与えることを恐れているだけなのです」
ファスケッティさんの無償の愛に守られながら、5歳になったジュニーくんは明るくなり、社交性も身に付け、前向きな性格になったそうです。そして、この成長にはラブラドールレトリーバーの「メルロー」ちゃんの存在も大きかったようです。
「2人はエネルギーレベルが同じ」 いつも一緒にいる親友同士に
メルローちゃんは、「キッズ・コンパニオン」というプログラムの一環で、ジュニーくんのもとへやってきました。これは、5歳から17歳までの視力を失った子どもたちが、大人になった時に独立した盲導犬ハンドラーとなれるよう、ギャップを埋めるために行われている支援です。
ジュニーくんはメルローちゃんとためらいもなく親友になりました。今では日々を一緒に過ごしています。にぎやかで幸せがあふれた生活について、ファスケッティさんは次のように語っています。
「2人はエネルギーレベルが同じなんです。とても興奮しやすく、一緒に走り回って遊ぶのが大好きです。ショッピングモールにもよく行きますし、一緒にプールも入り、お風呂に忍び込もうとすることもあります。農場を案内したり、動物を見せたり、いろいろなことを話したり、一緒に遊んだりするのを見るのは楽しいものです」
大きな愛情を注ぐ24歳のママと親友のメルローちゃんに支えられて、すっかり明るくなったというジュニーくん。素敵な未来が楽しみですね。
(Hint-Pot編集部)