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引退馬ナイスネイチャ 人間なら90歳代の超高齢に 余生の過ごし方は?
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「ウマ娘」効果でバースデードネーションに多額が集まるように
引退後、さらに有名になった理由には、スマートフォン向けゲームアプリ「ウマ娘 プリティーダービー」での人気を受け、多額のバースデードネーションが集まったことがあります。2021年は約3600万円、今年は約5400万円が集まりました。
ナイスネイチャ・バースデードネーションは元々、引退馬を支援するための制度として数年前から存在していましたが、「ウマ娘」のキャラクターにナイスネイチャが登場したことが後押しになって認知度が上昇。引退馬として余生を過ごすにも、乗馬として“第二の馬生”を歩むにもお金がかかります。
寄付金は、他の引退馬の長期的な支援を可能にしました。これまでバースデードネーションなどの寄付を知らなかった人たちに、この支援制度があることを普及させたネイチャの貢献はとても大きいはずです。
華々しいキャリア 懸命に走る姿は共感を呼んだ
ネイチャは元々、競走馬時代も人気がありました。キャリア6戦目から4連勝で、3歳(当時の表記は数え年だったので4歳)秋には伝統の菊花賞に出走。その後も息の長い活躍で引退は8歳です。最高峰レースのG1レースに16回、重賞レースに34回の出走は当時の最多出走記録でした。
それ以上に共感を呼んだのは、重賞やG1タイトルに届きそうで届かないけれど、懸命に走る姿です。年末の風物詩・有馬記念は1991年から1995年まで5年連続出走。1991年から1993年は3年連続3着でした。そもそも、一線級の力を維持していなければG1は出走すらできません。その中で大一番の3年連続3着は誇れるものです。「善戦馬」として希代の個性派でした。
ネイチャは今年で34歳。人間なら90歳代半ばから後半でしょうか。現在、生きているJRA重賞勝利馬の最長寿です。今は右目の角膜に傷が付いたため保護具を装着中ですが、目薬で回復を図っており、心配はいらないようです。
「今も人気は上がっています。『ウマ娘』の影響が大きいのかなと思います。元々、昔からのファン、応援してくださる会員さんに支えられてきた馬。そこに『ウマ娘』で知ったという人たちも加わっている。再び人気が上がっています」
現役時代を知る人からも、知らない人からも愛されるナイスネイチャの“馬生”はまだまだ続きます。
(Hint-Pot編集部)