大切なのは環境から整えていくこと　相互理解の上でコミュニケーションを

――「オーガズムを知らない」といった女性の悩みは多いようです。何か自分できる対処法はあるのでしょうか？

　より良い性行為を目指すなら自主練習は大切です。適度に刺激しないと男女ともに反応しにくくなりますので、自主練はその予防も兼ねることができます。

　女性の場合、それはマスターベーションにあたります。その際、セクシャルファンタジー（性的空想）によるメンタルへの刺激と、自分で触る体への刺激の両方あった方が反応しやすいでしょう。プレジャートイなどを使う方法もありますが、まずは自分の手で性感帯などを確認することをおすすめしたいですね。

　そうすることで感じやすい部分を把握すると、自分でして気持ちが良いことを相手にもすることができるでしょう。自分が気持ち良いと思ったことを相手と共有しやすくなるわけです。相手とコミュニケーションを取りながら自己開発も進み、相手の中に新しい性感帯を見つけられたりもします。

――男女の性行為では、女性がオーガズムに達する準備ができるまで20～30分かかるという点をお互い理解しておくと、オーガズムを得やすくなるのかもしれませんね。

　そうですね。女性と男性にある性差を伝える際、相手を傷付けない言葉を使うのは少し難しいので、「女性にはこういう傾向がある」とデータで示した方がスムーズかもしれません。

――リラックスをするために何かアドバイスはありますか？

　大切なのは環境から整えていくことです。性行為の前に一緒にお風呂に入る、またはお酒を飲みながら会話をするなどといった雰囲気作り、部屋の温度や湿度など、性行為に集中できる環境作りは有効でしょう。スマートフォンの電源を切っておくのも一つの方法ですね。

　骨盤に血液が集まると性反応が起きやすくなります。そのため、入浴の際はシャワーだけでなく、下半身を温める入り方が良いでしょう。リラックスしやすくなる効果が期待できます。また、男性はお酒を飲みすぎると勃起しにくくなりますので、適量を心がけてください。

（Hint-Pot編集部）

OliviA（オリビア）

1980年生まれ。ラブライフアドバイザー（R）、アロマセラピスト、日本性科学会 会員。学生時代に「女性の性」をテーマに卒業論文を執筆したことをきっかけに、2007年より性に関する総合アドバイザーとして本格的に活動を開始。台湾でも書籍を出版するなど、日本のみならず海外にも活動の幅を広げ、多方面で「女性のセクシュアルウェルネス」「コミュニケーションを重視した性生活」の提案を行っている。近著に「セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ」（日本文芸社）など。