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なぜ猫はお風呂を嫌う? “水嫌い”の歴史と、お風呂不要の簡単ケア方法
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お風呂が苦手という猫は多く、頭を悩ませる飼い主さんも多いでしょう。人間の手でブラッシングをしてあげたり、猫自身でグルーミングをしたりして清潔を保っているとしても、本当にそれで衛生面は大丈夫なのかと気になることもありますよね。そこで今回は、猫のお風呂の必要性や、お風呂に代わるケアなどについてご紹介します。
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猫にお風呂は必要なのか?
お風呂タイムは人間にとって、一日の汚れを落としてすっきりできる至福の時。しかし、猫のほとんどはお風呂が苦手です。汗腺が足の裏などにしかない猫は、全身に汗をかくことがなく、グルーミングをして体を清潔に保つ習性があります。健康な猫をお風呂に入れる必要性を感じない飼い主さんも多いでしょう。
しかし、グルーミングやブラッシングだけではフケや脂を取り切れず、とくに長毛種は見えないところに汚れが溜まりがちです。愛猫との生活を快適に過ごすためにも、ときどきシャンプーなどでケアしてあげることも大切でしょう。
猫がお風呂を嫌がる理由
いざ愛猫をお風呂に入れようとしたら、大暴れされたという飼い主さんの声をよく耳にします。それは、体を濡らしたくないという、猫が本来持つ本能や体質が大きく影響しています。
ここでは、猫がお風呂を嫌がる理由を詳しく説明していきましょう。猫が水を嫌がる理由がわかれば、お風呂が苦手な愛猫へのアプローチが見えてくるかもしれません。
○本能によるお風呂への“拒否感”
体が濡れることを猫が苦手とするのには、猫の祖先「リビアヤマネコ」が砂漠地帯で暮らしていたことに由来するという説があります。砂漠は乾燥地帯のため水浴びの習慣がありませんでした。その名残から猫は水に慣れておらず、本能的に体が濡れることに拒否感を示すといわれています。
また、縄張り意識も強いので、水に濡れることで自分の匂いが流されることを不快・不安に感じることもあると考えられています。
○犬よりも猫がお風呂を嫌がる要因
犬は猫よりも水浴びを好む傾向がありますが、その違いはなんなのでしょうか。これには猫の体質が関係しています。
猫の毛は犬の毛に比べて脂分が少ないので、水を弾きにくいという特徴が。そのため体を濡れた状態にしておくと、急激な体温の低下につながります。お風呂を嫌う猫が多いのは、「濡れることは危険」という本能がおのずと働くことも考えられます。
○最も嫌いなのは「風呂」ではない
お風呂が嫌いな猫のなかには、自分の体を触られるのが得意ではないタイプも。お腹や足先、シッポなどは本来、とても敏感な部位。むやみに触られたくない場所でもあるので、シャンプーのときにゴシゴシと触られると不快に感じてしまいます。
また、猫は聴覚が発達しているので、シャワーやドライヤーの音を怖がることも。水そのものが嫌いというより、長時間のシャンプーで触られることやその最中の音を、最も苦手とする場合もあります。
お風呂なしで可能な猫のお手入れ
苦手な理由がわかっても「きれいにしてあげたいけど大暴れされたらどうしよう……」と、お風呂嫌いな愛猫のシャンプーに不安や抵抗があるという飼い主さんもいるでしょう。しかし、健康や清潔さを維持するためにも何かしらのケアはしてあげたいですよね。
ここでは、日々のブラッシングとともに取り入れやすい、シャンプーを使わないお手入れをいくつかご紹介しましょう。
○ガーゼやペット専用ウェットティッシュ
体の汚れやべたつきを拭き取るには、「ガーゼ」やペット用の「ウェットティッシュ」がおすすめです。やわらかなガーゼは、ケアしたい部位に合わせて指に巻いたり、たたんだりするといいでしょう。お湯で湿らせてから、汚れが気になる部位を優しく拭いてあげてください。
また、ウェットティッシュは、アルコールを含んでいない植物成分由来のものなど、成分を確認して安全性の高い専用のものを選びましょう。猫は鼻がいいので無香料のものが望ましいです。
○ドライシャンプー
「ドライシャンプー」は、水を使わなくても汚れや臭いを落とすことができます。すすぎ不要で泡をつけて拭き取るだけなので、ストレスなくケアができます。また、体への負担が少ないので、高齢や病気の猫のお手入れにも適しています。
ただ、通常のシャンプーと比べて洗浄力が弱いので、汚れがひどい場合は対処できないことも。また、シャンプー剤を舐めてしまうこともあるので成分に注意して選ぶことが大事です。
(Hint-Pot編集部)